2013年4月4日木曜日

新潟ぶるーす

大塚から大宮へ移動し、正午過ぎの新幹線で新潟へ久々のドーミーインに投宿し、夜にセミナー。このあとのドラマが面白かったんですね~。
セミナー会場でkuniさんに再会。かつて会社でセミナーにお招きいただいた時に、新潟駅で会うなり開口一番「ホントに雨が降るんですねー!」と言ってくれた人である。(^_^;)
でも私はこの人の技術者魂はすごいと思ってるんだけどね。

さて、そのkuniさんのお言葉に甘えて新潟駅まで送ってもらった。
で、私が「酒でも飲んでぐだーっとしたい」と言ったらそういう辺りに連れて行ってくれた。ありがとうkuniさん。
で、ドラマはここからなんです。

どこでもいいやあと思いつつ歩き出してすぐ、あまり混んでなさそうな店が目に入った。日本酒も飲めそうだし郷土料理っぽいことも書いてある。
入ってみると客は若いグループだけで、ママと談笑中。あとはいつもニコニコしている料理専門のふくよかなお姐さんと決して笑わなそうな若い女の子。

まあいいかと、とりあえず熱燗とめかぶを頼んでちびちびやりつつ、いつものように添削をやっていると、作業服を着た馴染みらしいおっさんが酔っ払って入ってきて、入れ替わりに若いグループが出ていき、笑わない若い女の子もバイト時間終了とみえていなくなった。

やれやれこれで静かに飲めるわいとほっとして、新潟では一番好きな麒麟山とウド味噌をオーダー。ウド味噌のシンプルな味と麒麟山のしっかりした味がよく会うのである。
うまいなあと平和な時間を過ごしていると、危機は突然やってきた。あろうことかおっさんがママを口説きだしたではないか。
酔っているものだから抑えが利かないのだろう、俺は前から的なことをとつとつとしゃべっている。ママは最初はいなしていたが、途中から口数がぐっと減ってしまった。さすがのニコニコ姐さんも口数が少なくなってしまった。おーい、俺はどうしたらいいのだ。

【課題】このこう着状態の中で場を和まさなくてはならない。(客なのに)
【ボトルネック】ナニモコトバガデテコナイ。

こんなことなら沖縄のボトルネックのほうが缶詰が出てくるだけましだと思っていると、さらに困ったことにおっさんが涙声になってきた。もはや唯一の部外者である私の存在が、一線を越えさせない重石になっていることがひしひしと感じられるではないか。

【課題】この状態の中から逃げてはいけない。(客なのに)
【ボトルネック】ムネガイッパイデ、モウチュウモンデキナイ。

やがてありがたいことに傷心のおっさんはトイレに入っていった。
今のうちだ!と「お愛想」と言いかけたところにママが

「県外の方ですか?」

いやもう県外も番外もわたしゃエマージェンシーでんがなと思いつつ、そこは技術士らしく落ち着いて

「はい。ちょっと仕事で」
「どんな仕事をしておられるんですか?」

よりによってなんてムズカシイ質問をするのだ。スキヤキとかエイペックとかギジュツシとか言ってどうなるというのだ。

「ええまあ…」
「…」

ほーら、会話が途切れたではないか。どうしたらいいのだ。

「ママァ~」

おっさんがトイレから生還した。
ママはもはや

「今夜は帰ったほうがいいんじゃない」

と、怒気を含んだ優しい笑い声で言う。怖すぎるではないか。
もう降参です。ごめんなさい。もう課題解決はできません。ボトルネックが大きすぎて解決の方向性は見えません。お愛想してください。お願いですから帰らせてください。いくらですか。2720円。ええっ、それだけしか飲み食いしてないんですか。ごめんなさい。1時間以上居座って何もできない上にそれだけしか払わないワタシをどうか許してください。3000円払いますから、お釣りはいりませんから、いやもう本当にいりませんから、何でも好きなものを買ってください。じゃあ、これで失礼いたします。

ほうほうの体で店を出て、とにかくホテルの方向に歩き出すも、〆がまだだったことに気づく。
ふと見ると蕎麦屋がある。落ち着けそうな雰囲気なので入店。
ほっと落ち着いて麒麟山とウド味噌をもう一度オーダーし、やり直し。
いやあ、落ち着くなあと思ってネクサスを取り出して…なんてことだ、さっきの店にスマホ(テザリングしていた)を忘れてきたではないか。

途方に暮れつつも一刻の猶予もならぬ。荷物を蕎麦屋に置いたまま外へ飛び出し、さっきの店に戻ってみると、暖簾も下がり、鍵がかかっている。
とんとんと戸を叩くと、ニコニコ姐さんがすぐに出てきてスマホを渡してくれた。ママは奥のほうで振り返りもせずに皿を洗っている。「がしがし」ではなく「がしっがしっ」と音がする。怒りのオーラが満ち満ちている。ひえええ、とスマホをひったくるようにして蕎麦屋にダッシュで戻った。ぜいぜいぜい。

「お客様、どうされたのですか」
「いやもう、どうしたもこうしたも」

ようやく平和がやってきた。〆に「へぎそば」を頼む。新潟らしく東京のような更科系の白っぽい女性的な蕎麦が出てきた。堪能してホテルに戻った。
うかつにもホットコーヒーを買うのは忘れたけれど、酔い覚ましの風呂に入りつつ洗濯をして、心安らかにベッドに入った。
変な夢を見なければいいのだが。

2 件のコメント:

  1. えっーーーー!!!
    APECさんでも、言葉が出ないことがあるんですか?
    「お愛想して!」「はい、おつり200万円!」
    「ありがとう!、これで新車買うわー!」
    「ナンデヤネン!」かましてほしかったです。
    いよいよ、天気だけでなく、空気にも嵐を呼べるように
    なったんですね!(仙人か!)

    返信削除
  2. …無理っす。あんな中で無理っす。ToT

    返信削除