2014年10月7日火曜日

カスガギター

それは百年前に建てられた芝居小屋。映画館だったり倉庫だったり、紆余曲折の後に使われなくなって淀んだ空気の奥にいろんなガラクタが積み上げられていた。
あれはもう2年も3年も前のこと、この小屋を掃除しているグループがあった。「旭座再生の会」という。ひょんなことから、いや、腐れ縁から私も手伝っていた。
ガラクタの中から古いギターが出てきた。
「持って行っていいよ」
と言われ、何となく持ち帰ったのだが、弦も切れたままで我が家の楽器部屋の奥に放り込まれていた。いったい何本古いギターのある家やねんという話である。

このギターをふと思い出して、掃除をして弦を張ってみた。

なかなかに悪くない。音の響きは高音と低音があまりひびかず、中音域の落ち着いた(感じ方によってはちょっと平たい)音で、好き嫌いが分かれるところだろう。透き通るようなメタルストリングの高音は出ないから、アルペジオだとちょっと物足りないかな。
あと、ネックが独特で、指板の両端が丸みを帯びているので、独特のグリップ感がある。さらに弦高がけっこうあって、私はローコードだと1弦に手の平が触ってしまうことがあった。

メーカーはKASUGAとある。モデルはF-8で、1971年らしい。ネットによると。
アマゾンなんかの中古市場では、弦高があるのでスライドギターにどうですかなんて書いてあったりする。
まあとにかく面白いものが手に入ったから、また上根来あたりに持って行って遊ぼうと思っていたのだが、先日、近所の子ども(といってももう20歳を越えているけど。その子が小学校に入ったころから祭りでずっと見ているので、私の中では「地域の子ども」だ)に酔ったイキオイもあって、もともとタダでもらったギターだからと、譲ってしまった。おおいに使い倒してくれよ、ゆうた。

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