ずっと取り組んでいるアブラギリの圧搾油採取。
①いかに効率よく集めるか
②いかに効率よく殻を割って種を取り出すか
③いかに効率よく油を搾るか
④その使い道
この4つの課題がある。
【課題①:収集】
基本的には山を歩き回り、人海戦術で拾い集めればいいのであり、かつてはそうしていた(そこでは子供も重要な戦力だった)が、人件費が高く少子高齢化の進む中では、人件費を考えなくてもいいボランティア活動でない限り、やはり現実的ではない。
でもまあ実際のところ、効率のいい収集方法は現段階ではまだしっかりとは見つかっていない。ネットを斜面に張って末端に集めるということは確かにできたのだが、今のところネットを張る労力が歩き回って拾い集める労力に比較して十分小さいとはいえない。
このネットが最小限のメンテナンスで冬を越え(2mの積雪で壊れずに春を迎え)れば、ライフサイクルコスト的に効率がよくなってくるのだが。
がんばってくれよ、ネット君たち。
【課題②:殻割り】
殻を割って種を取り出す工程だが、今夜、かなり方向が見えた。
まずはモルタルミキサーに実を入れる。容器内面には凹凸をつけた薄い鉄板が貼ってある。
なーんて言うとたいそうな加工をしたみたいだが、薄い板を金挟みで切って、裏から釘を叩いて突起をいっぱいつけたものを両面テープで貼っただけである。
しかしこれがなかなかの破壊力で、殻はかなり割れる。もっとも種まで割れるものも少し出てしまうが。殻が飛び散らないように針金とビニールとマジックテープでフードも作った。^o^
次にこれをふるいにかける。15ミリから5ミリまでの6段階。これを自動ふるい機にかけると、まだ割れていない実、種を主体に殻が混じったもの、細かい殻の破片と壊れた種、もっと細かい殻の破片に分けられる。
壊れた種はあまり多くないのでロスとして許容できると考え、種が多い2つのふるいの中身を使うことにする。
さらにこれをとう箕(みの)に入れてブロワーで風選する。殻が飛び散るので網目4ミリの防風ネット(実の収集のために斜面に張ったネットと同じ)をかぶせてみるとなかなかよろしい。
ただ風量や風向の調整がむずかしいので、とうみのような器具を活用するといいのではないかなと思った。
選別した種。かなり効率的に選別できたと思う。
若狭東高校にもともとあった土木用の試験機器を使いまくっているわけだが、こういう普通にはない機器があって、こういう活動に使えるということが地域資源なんだと思う。
【課題③:圧搾】
これは昨年度、自動車板金用の油圧プレスを使って圧搾する方法を考え、かなり効率化した。
問題は治具で、粘りの強い桐油を効率よく集める部分で課題を残した。
これについては目下開発中である。N木、頼んだぞ。
【課題④:活用】
今年から来年にかけてのテーマだな。ニス、撥水剤、耐水紙(油団)などなどいろいろありそうだが、いかに付加価値を持たせるかの勝負だ。
あれこれ考えていることはあるのだが、来年度ぜひ形にしていきたい。
おー、こうして書いてみるといかにもきちんとステップごとに課題を整理して、ちゃんと取り組んでいるみたいに見えるじゃないか。