2015年5月27日水曜日

ご主人の受難

「ココス小浜店」は小浜でのいちばんのノマドスペースで、けっこういつもざわざわしているのだけれど、けっこう面白い光景にも出会う。
今日は、老夫婦と、その奥さんの友人と思しき3人連れが向かいに座っていた。
女性同士がわれやこれやとおしゃべりしている横で、ご主人は腕を組んで目をつぶり、じっとしている。寝ている様子ではない。
そのうち奥さんがご主人を指して
「男の人は区のつきあい位で一緒に話したりどこかに行ったりする友達はいないから、こんなふうにいつも静かにしている」
といったことを言った。
ご主人、えらい言われようだなあと思ったけれど、ご主人、目も開けず何の反応もない。
そのまま1時間ほどもおしゃべりを続けていたけれど、とうとうご主人はまったく動かず目も開けず、おしゃべりが終わるのをひたすら待っていた。

ようやく「それじゃあ、そろそろ」になり、伝票を見て割り勘の計算を始めると、ご主人おもむろに目を開け、眠たそうなそぶりもなくジャンパーを着て帽子をかぶり、てきぱきと帰り支度をはじめた。
ところが友人女性のほうの口が止まらない。テーブルの上に出した薬の袋やらいろんなものをバッグにしまうのだが、ひとつしまうたびにひとしきり話をするので、ずるずると話は続き、さらに30分も話し込んでいた。
ご主人また黙り込み、下を向いてじっとしていたけれど、やがてまた目をつぶった。こりゃあ長くなるぞと思って「待ちモード」に入ったのだろう。
ようやく奥さんが立ち上がり、友人女性「あれ、もうこんな時間や。話とると時間がたつの早いなあ」と笑う。
ご主人、「長生きするわ」と呆れ口調で立ち上がり、すたすたとレジへ向かった。
いやあ、楽しませていただきました。

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