2011年8月29日月曜日

竹を削って

相変わらずの残暑猛暑である。
こういうときの週末は外へ出る気がしないので、家にこもってごそごそと過ごすことになる。
机の整理をしていたら、引き出しの中から数年前(いや、10年ほど前か?)に作ったおもちゃがぞろぞろ出てきた。

写真の上にあるのは篳篥(ひちりき)。雅楽に使う縦笛だ。(和楽器には縦笛は非常に珍しい)
写真右側が歌口の側になり、ここにリードを挿して吹く。
篳篥本体は篠竹を使ったが、リードは葦がよいらしい。葦を煮込んでやわらかくしてペタンと2つ折にしたものをダブルリードとして使うようだ。このリードをくわえて吹くのだが、押さえ具合で音程がかなり変化し、ふぃーんという雅楽特有のスラー音になる。東儀秀樹がポピュラー音楽に取り入れて有名になった。
このリードに使う葦は「淀川の葦に限る」そうだ。乾燥した葦が手元にないので、とりあえず細めの篠竹を削って作ってみようかな。
葦は竹(特に篠竹=女竹)と並んで昔から楽器に使われてきたものなので、今度機会があったらその「淀川の葦」を見に行ってみたいものだ。

写真下の2本は「ムックリ」。アイヌの楽器というより音具だ。
細くなったほうを口にくわえ、紐をぐんと引っ張ると、内側の切り離した部分がびよんと震えて、この振動音が口の中(口蓋)に反響して音となる。さらにびよんびよんと鳴らしながら息を吸ったり吐いたりすると、ぎょわーんぎょわーんと何とも面白い、また意外なほど大きい音が出る。
こういう楽器を口琴というらしいが、東アジア全域にいろんな口琴があるのだという。
今回使ったのは孟宗竹だが北海道には竹はないから、本来は何かの板なのかなあ。

こういう楽器を作ったから何をどうするというわけではないのだけれど、私は子どものころからナイフで何かをコリコリ削ったり、とにかく物を作るのが好きなので、もう少し気候が良くなったら海岸にでも出て、コリコリと竹を削って1日を過ごしてみたいものだ。そんな時間なかなかないけどね。「角瓶と文庫本持って旅に出る」よりさらに実現がむずかしい、小さな夢だな。

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