2021年7月3日土曜日

乗車ヨロ

折りたたみ傘が壊れて爪楊枝の先っぽを突っ込んで応急修理し、大雨で特急が止まって急遽金沢泊になり、まあいろいろあった旅だなと思っていたが、それで終わりではなかった。

ゆっくりめに起きてメールチェックをして身支度を整え、天気もいいから添削しながら駅まで歩こうとホテルを出た。昨夜とは大違いでいい天気だ。
この写真を撮影した直後であった。
「あれ?切符どうした?」とふと気がついた。と同時に「やっちまった」と気がついた。ホテルに戻り、「忘れ物をしたのでもう一度部屋に入らせてください」となんてことないさ顔で言ったものの、顔のどこかが引きつっていたかもしれない。
部屋をもう一度開けてもらって、洗濯機の扉を開ける。切符が洗濯機の中でバラバラになっていた。ToT
昨夜は疲れていたのである。酔っていたのである。若干、もうどうでもいいと思っていたかもしれない。シャツの胸ポケットに切符一式を入れたまま洗濯機に放り込んだのであった。
ともかく破片を拾い集めてテーブルの上に並べてみると、幸いなことに乗車券の区間や特急券の区間、到着時刻、日付などが読み取れる。よし、これなら購入を証明できるであろう。
金沢駅のみどりの窓口でこれこれしかじかと説明したら、窓口のお姉さんはニコニコと相談してきますねーと言って奥へ消えた。まあいろんな客がいるもんだなあ。オレだけど。

なんかこんなものをもらった。これで乗れますよという。

JRの業務連絡書であった。
「乗車券類を洗濯してしまいました」
「破片から内容を確認できた」
うーむ、技術士試験の答案もかくあるべしというくらい簡潔明瞭でわかりやすい。しかし情け容赦ない。ToT

さらにビニール袋に入って切符の破片まで付けられていた。そうか、オレ、この一式を小浜駅の改札で出すんだろうな。きっときょとんとされるな。駅員の中に同級生もいるから、あいつだとやだな。でもこの春から見てない気がするから定年退職してるのかな。だといいな。

面白いのは下段の記事欄。
「5066Mうヤ(?)のため指のみ券にて乗車ヨロ」
5066Mは昨夜運休になった特急しらさぎのことであろう。
「うヤ」?「うや」?「運行ヤメ」のことかな?
「指のみ券にて」は「指定席のみ切符で」ということかな。
「乗車ヨロ」は「乗車よろしく」であろう。
なんだか「カレチ」を思い出した。JR(鉄道業界)というのは独特の日本語略称を使う。「カレチ」は「客室車掌」の略称らしい。「車掌」が「レチ」で、「列車長」の意味らしい。だから荷物列車の車掌は「ニレチ」といったらしい。ちなみに「カレチ」はマンガのタイトルで、JR西日本勤務車掌が主人公で北陸線が頻繁に登場するので愛読していた。ちなみに私は鉄ではない。
小浜駅に到着し、「券のみ乗車ヨロ」と業務連絡書とビニール袋の一式を改札で出したら、案の定若い駅員さんは「ぼく、全く理解できません」状態になって、通過に2分ほど要した。

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