因島で村上水軍城というところへ行った。見ると山の上に城が。
尾道にも山の上に城が見えたが、「商工会議所会頭が建てた」とかいうインチキ城だった(その上、今は会社が倒産して閉鎖されているらしい)ので、「今度こそ」と期待してえっちらおっちら登ってみると鉄筋コンクリート製で、中は船の歴史展示館みたいになっていた。どうも今回は城に関しては「ホンモノ」に縁遠いようだ。
「古代の人々と船の起こり」から始まって船の埴輪レプリカなんかが展示されていて、そこから順を追って帆船、鉄の船、と進む。
そして「世界大戦への突入」とあって、戦艦大和の模型だなと思ってよく見たら宇宙戦艦ヤマトのプラモが飾ってあった。こういうノリは嫌いではない。^^
でもまあ、いろんなイベントもやっているみたいだし、ここはここでがんばっているのだなあと感じた。
こういう「観光地の仕掛け」を考える側に立ってみると、妙にシンパシーを感じてしまう。^^;
続いて生口島へ。ここは耕三寺で有名だが、「耕三寺博物館」のケバケバ門と1,200円という入館料にげんなりして「しおまち商店街」を抜け、国宝三重塔がある山へ。よく山に登る旅だ。
遊歩道があるようなのだが、登り口に「遊歩道を整備しているので迂回せよ」の看板が。
ところが平面図がそのまま貼ってあるだけで、現在地がどこなのか、迂回路はどれなのか、ぜんぜん示してない。さらに現地にも案内矢印などもないので、平面図を見て現地と照合できる人以外はどこへ行ったらいいか、さっぱりわからない。
さらに先に進んでわかったのだが、この「通行止め」は、整備済み区間以外は通っちゃだめよというだけのもので、未整備区間は擬木コンクリートと土からなる遊歩道で、少し侵食による凹凸があるものの、どこも痛んでいない。まあ案内看板から何から、尾道市役所の絵に描いたようなお役所仕事なのである。
うーん、おのみちぃ・・・・昨夜、土曜日の8時にすべてシャッターを下ろして無人になった商店街を歩いたときと同じ感覚を感じましたね。
そんな気持ちを払拭してくれる三重塔と瀬戸内海の風景。この美しく優しい気候風土の中で、人々はたくましくも信心深く生きてきたのだろう。
遊歩道を下っていくと、お地蔵様が並ぶ気持ちのいい小道であった。これを通行止めにする感覚がよくわからん。
バスに戻って、来島海峡を渡って愛媛県へ。今回は通過するだけだが、このルートで道後温泉へ家族旅行というのもいいかもしれない。
えひめみかんさんと来て以来の来島海峡SAより |
久しぶりの「わたる」君 |
今回の旅行でわかったのだけれど、私は博物館などより、歩き回るのが好きなのだ。
仙台の青葉城でも松山城でも、また大分の豊後高田でも臼杵でもそうだったけれど、屋内展示を見るよりも外で街並みをキョロキョロ見たり緑と土のある道をゆっくり歩くのが好きなのだ。
そんなふうにして歩き回って、少し疲れたら喫茶店で美味しいコーヒーや紅茶を飲みながらネットをしたり本を読んだり、そして夜になったら盛岡で入ったような小さな飲み屋で地元の美味い食材を肴に地酒を飲んで、本などパラパラやって一人の時間を楽しむような旅が、きっと一番性にあっているのだ。(気の置けない仲間たちと飲み語らい時間を過ごすのも負けないくらい好きなのだが)
角瓶とリーダーとLooxU(かさばらないからね)をザックか布のショルダーバッグあたりに着替えといっしょに放り込んで、ほいっと2~3日旅に出るとしたらそういう旅なのだろうなと、「本当にそんなことしたらいよいよ放浪じゃないか」ということも少しだけ感じつつ、でも一度くらいはやってみたいなあと思った。
観光をネタにして町おこしはとても必要なことと思います
返信削除どこぞの独裁国家でさえ観光はあるんです
だから国には必要なものです
ただ、考えなきゃならないのは、みんなお金がなくなったらそんなもの見向きもしてもらえないことを考えなきゃならんと思います。
まったく見向きもされないわけじゃないけど、優先順位はすごく低いはず。
だから観光はお金がなくなったら見向きもされない「程度」のことなんだという自覚というか覚悟というか認識が必要では?
その順位を少しでも上げるには「必要なもの」という意識を持ってもらうことが必要ではないかと思います。
来てもらう人にも、地元の人にも。
私は今趣味でグライダーというものをやっています
ただでさえ絶滅危惧種的な分野なのにこの不況ですから大変です
「あそび」という観点も必要だけど「地域に必要なもの」という観点も持ってもらう必要もあろうということでいま、グライダーを自作できないか模索しています
自作というかこのような「研究開発」を通じて、それぞれの技術力向上、問題解決能力の向上、最終的に地域の「なにか」底上げにならないかなと模索しています。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/catcheye_99
「観光」は所詮遊びです。しかし、尾道はこんな重要な文化財があるんです
だから「楽しむ」+「勉強になる」というような違う価値観を提案できないとだめでないのかなあということを自分の活動や周りの観光の取り組みを見て思うのです。
まさにツーリズムですよね。日本人観光客は「知りたい」という欲求が強いというか、単なる物見遊山でなく知的満足を求める傾向が強いように思うので、その土地のもっている観光資源について「理解して知ってもらう」取り組みは、その過程での触れ合いも含めて強力なコンテンツになると思います。
返信削除そうあるためにはいかに観光資源の裏側を厚くするか?(歴史的背景や地域とのかかわり)ということだと思います。
返信削除そういう取り組みはどうがんばっても地域の人たちがやらねばならないはず。
その取り組みが地域社会へ技術的なスピンオフになるかどうか。「歴史を調べても所詮道楽の活動の域を出ない」ではだめだと思うんです。
どうすれば「必要なもの」となり得るのか?
これがこれから考えることなのかなあと思います。
そのとおり。それこそまさに今我々が取り組んでいることです。
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