2016年11月8日火曜日

息づかいを感じながら

今日はどこへ行こうか…と思ったのだけれど、考えるのも面倒くさいので、とりあえず門前仲町から日本橋まで歩いてみた。まあつまり東西線2駅分ですね。決して徘徊しているのではないので勘違いしないように。

すぐ近くに深川不動がある。11月15日は七五三なので、これを大々的にPRしていた。
七五三は室町時代に始まったとされる伝統行事だけれど、江戸時代に呉服屋の営業戦略で広まったという、まあクリスマスやバレンタインデーと同じような、もともとの由来は伝統的なものなのだけれど、途中からインチキ臭い商売が重なってきて変質したものだ。今まさにハロウィンがそれですな。そういえば、これから先、クリスマス、節分、バレンタインとそういった商魂たくましい行事が続くなあ。

ところで私は、旅先の風景というか体験として、「これを見ろ!」というような自然とか文化財も好きなのだけれど、それ以上に日常の生活の場をのぞき見るのが好きだ。
だから今日のようなぶらぶら歩きは、わざと大通りではなく、その1本か2本横の通りを選んで歩く。そこに住んでいる人たちの息づかいが感じられるからだ。
こんな下町の真ん中にアウトドア系の車があった。日ごろ使いには燃費も悪いし乗り心地も悪いし大変だろうけれど、休日にはどこかに行くのだろうな、どんな人がどんな思いで乗っているのだろう。
びっくりするくらい狭い建坪に細長いペンシルビルのような家があった。どんな思いでこの家を建てたのだろう。
玄関先の階段のステップに小さな鉢があって、ひょろひょろと折れそうな松が添え木とヒモで支えられて生えていた。この家の人が大事に育て、小さな顕示欲で家の前に置いているのだろう。どんな人なのかな。
住宅地の真ん中にドクロマークをあしらった「WANTED」というバーがあった。3階は古着屋だ。きっと2階が家なのかな。どんな人がやっているのだろう。きっとバーは旦那で古着屋は奥さんじゃないだろうか。
…などと勝手で失礼な想像を巡らせながらまちを歩くのは本当に楽しい。変な趣味かなあ。

永大橋までやってきた。隅田川にかかる橋だ。歩道を歩く人はほとんどいない。

橋に踏み出すと、ウォーターフロント東京が姿を現す。向こうにはスカイツリーが見える。
自然溢れる、まあつまり荒れ地だらけの東蝦夷の地をあてがわれた徳川家康が江戸という開拓を始め、家光のころを中心に大名の力をそぐことを兼ねて運河が巡らされて水のまちとなり、200年以上の太平の中で江戸文化が醸成され、明治維新を経て日本の先陣をきって西洋化に突っ走って様々な土木遺産を含む文化を生み出し、戦争で焼け野原となって、東京の奇跡の舞台となって、平成大不況の中でそれでも洗練され続け、今は2度目のオリンピックを待つこのまちである。
さっきまでの裏通り散策が住民一人一人の息づかいを感じるものであったとすれば、この光景は東京という名の生き物の息づかいを感じる場なのかもしれない。
この「まちの息づかい」、まちが経てきた歴史を単なる知識じゃなくて肌で感じるときというのが大好きなのだが、でもやはりそれは、そのまちについての知識を持っていることが必要だ。知識だけじゃ面白くないけど、知識がないと何も感じることができない。その知識を目に見える光景の中に羽ばたかせてイメージをふくらませられる時にだけ、まちの息づかいが体験できるんじゃないかと思う。

ちょっと歩き疲れて肌寒くもなったので、目に付いたコーヒーショップに入って、休憩がてらコーヒーを飲みながらPC仕事をした。
1時間ちょっとの長居をして、またぶらぶら歩いて模擬面接会場まで行った。
これといった名所旧跡を巡ったわけではないのだけれど、これはこれで贅沢な1日だったと思うのだけれど、どうだろうか。

2 件のコメント:

  1. 富岡八幡宮の近くに日本最古の鉄製の橋があります。
    八幡橋、または弾正橋で検索!

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  2. はあい、行ってきましたよ。着いた日になんとなく深夜の散歩をしました。なんでこんな橋が?と思っていたあれがそうだったんですね。
    もう一度昼間にしっかり見に行きたいけど、もう今日で門仲おわりなんですよね。ToT

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