なんと、サントリーが角瓶の販売を休止するという。
ウィスキーの販売が好調で原酒がたりなくなったから、という景気のいい話なので、まあ納得はするのだけれど、やはりさみしい。また余裕ができたらぜひ販売再開してほしいものだ。
共感していただけるご同輩も少なからずおられるものと思うが、「文庫本と角瓶持って旅に出る」のCMに、何だか男の気まま旅みたいなものを痛烈に感じて憧れてから、ずっと「旅するときには角瓶を飲もう」と思っていた、特別の存在だったのである。(でもよく考えてみれば角瓶も高いものではなし、列車に乗るということも仕事上、あるいはプライベートで、それほど希有なことでもなし、その気になればいつでも実現できたことなんだけどね)
あのCMは、列車の窓枠に角瓶を置いて文庫本を読みふけっている風景もいいのだが、訪ねた先の「季節外れの温泉宿で」ぐだぐだと何をするわけでもなく、見るからに世間のしがらみ(家庭のしがらみ含む)からの一時的な脱出に成功した中年男が、足の指でふくらはぎなどボリボリとかきながら、浴衣姿で畳に寝そべって、角瓶のキャップでちびちびと飲んでいるという光景がズキュンときたんだろうなあと思うのですよ。
そのノスタルジーというか、男のロマンというか、まあともかく思い入れのあるウィスキーがなくなってしまうのは、やはりさみしいなあと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿