小浜から大阪までは本当に近い。梅田まで2時間ちょっと。そこからちょっと渋滞した中でも2時間半もあれば行けることがわかった。阿波座だからね。
母も女房も娘の部屋で不要不急の掃除だの洗濯物干しだのをして何くれと世話を焼く。もう彼女は独立したのだから…などと野暮なことは家内安全のために言わないほうがいいという程度の知恵は持っている私と父は、ただポツンと所在なげに部屋の中の邪魔にならないところに座っていた。
昼を一緒に食べて、娘を残して帰路につく。
連休最終日のこととて、SAはけっこうな人手。それでも吉川JCTから舞鶴若狭道に入ると通行車両はぐっと減った。福知山ICから先は基本的に対面通行。交通量は小浜付近で1日6,000台弱らしく、「それではフル化はちょっと」という話が新聞に載っていたが、まあ仕方ないんだろうな。
先月出石に行ったときに、「明治時代の鉄道敷設に際して『煙が農作物に悪い』とか、まあ合理性のない根拠で(これもバージンバイアスなのだろうが)鉄道を引っ張らなかった結果、出石は時代の流れから取り残された。でもそのおかげで古い町並みが残った」といった話を聞き、ああ小浜も同じだなあと思ったものだ。小浜には鉄道はあったけれど、港として近代化に対応できなかった(これは湾内の水深の問題があるそうなので、人為的な問題だけでもなさそうだが)から時代から取り残された。
でもそのおかげで古い町並みは戦争の空襲からも逃れ、昔ながらの通りと住居が残った。それが今になって重伝建などという形でプラスに転じている(というか、転じる可能性をもっている)のは皮肉といえば皮肉だ。だからこそ我々はこの重伝建という付加価値を(さらに小浜は日本遺産という付加価値を)活かしていかねばならないはずだ。
…なーんて柄にもないことを考えながら運転していたら、なんてことだ帰りは2時間ほどで小浜に戻ってきてしまった。
なーんてことをやっている間にも試験は進み、夕方からは試験を終えた人たちからのメールが入り出した。
読んでいるうちに、あの脳みそをフル回転させる1年に1回のイベントが懐かしくなってきた。
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