私はそのときSUKIYAKI塾大阪の模擬面接で大阪にいたので、女房に新しい冷蔵庫を選んで買っておいてくれと頼んだ。
女房は母と電気店に行ったらしいが、母が買う以上は20年使うつもりで選ぶようたきつけたみたいで、そのうえ母の世代は冷蔵庫にやたらとモノを溜め込みたがるので、結局これって個人が使うものか?と思うような店にあった一番大きな冷蔵庫を選んだらしい。前面が鏡面仕上げになっているとのことで、「冷蔵庫で身だしなみチェックができる」と、わけのわからないことを女房が言っていた。
ところがあれこれ買い悩んでいる間に在庫がはけてしまったようで、即日配達は無理で、年内配達ができるかどうかということになったらしい。それまで冷蔵庫がなくなってしまうわけだ。
「え、でもばあちゃんの親世帯には大きな冷蔵庫があるし、冷凍庫もあったよね。それにアブラギリ用にオレが買ったストッカーもずいぶん空きスペースがあるし。」
「それもうぜーんぶいっぱい」
どんな家やねん。ストッカーなんぞ、アブラギリシンポジウムが終わったので「空きスペースに冷凍食品入れてもいいよ」と私が母に言った翌日には満杯になっていたらしい。
で、母が電気店に
「車の代車みたいなものはないのか」
と聞いたらしい。店の人は「そんなものはないです」と言っていたのだが、さらに食い下がったら「じゃあ作ります」といって小ぶりの冷蔵庫(展示用だったのかなあ)を配達してくれたとのこと。
ということで、私が帰宅したときにはこのレンタル冷蔵庫がちんまりと置いてあった。
見ると「レンタル用2号」と急ごしらえのシールが貼ってある。電気店にわざわざレンタル用を作らせるって大阪のおばちゃんかい。てか「2号」ってなんやねん。1号もあるんかい。
とはいえ小ぶりなので入っていた食品類がとても詰め込めない。さいわい真冬なので暖房の入っていない部屋に置いておけばいいのだが、冷凍食品が多かったので大変である。レンタル2号君は冷凍庫が昔の冷蔵庫のように上のほうに少しあるだけなのだ。
そこで屋外にカゴを置いて食品を入れ、雪をかぶせて冷やしたり、まあアホな工夫をしながら冷凍食品を鬼のように消費しながら年末を過ごしたのである。
新しい鏡面冷蔵庫は、大晦日にやってきた。聞きしに勝る大型冷蔵庫で、私を殺して隠しておけそうな大きさだ。2人暮らしでこの冷蔵庫をいっぱいにしてしまったら、最後には奥のほうから数年前の食品が出てくることになりかねない。タイムカプセルかっちゅうねん。
夜中にリビングで一人仕事などしていると、鏡面冷蔵庫に写った自分の影にはっと驚いたりする。なんやねんこのプチホラー。
鏡でもガラスでもありません。冷蔵庫です。 |
冷蔵庫に入れる食品など限られていて、大部分の食品は、手に入るものを2日か3日程度の間に消費していたし、野菜などは土間なんかに置いておけばそうそう傷んだりしなかったのである。冷凍庫なんて氷とアイスをちょこっと入れられればそれで十分だった。
考えてみればこれってジャストインタイムの真逆じゃないのかな。こんな大きな冷蔵庫があれば、かなりの量がストックできる。在庫を大量に抱え込むわけですね。
母の世代などはそれで安心感を得られるのかもしれない。でも小浜って戦後食糧難がそれほど深刻だったとは思えないんだけど。
まあともかく、我が家の鏡面ドデカ冷蔵庫は、今はまだかなりの空きスペースがある。
冷蔵庫に映り込むAPECさんの姿はプチではなく、広島弁で言う「ぶち・ホラー」ですね
返信削除まじで怖いです (>_<)
注)広島弁の「ぶち」とは、すごい、ひどいの意