2018年3月4日日曜日

レッツノートの遍歴

あれは10年以上前のこと、あるダムの環境アセスの仕事でつくばに行った。同業者はおわかりであろうが、国総研でアセス内容の指導を受けるためである。それはそれで苦労して、お百度踏んで、確かあのころつくばに住んでたともともさんと飲んだりしたものだが、その話ではない。
小浜から敦賀・米原と乗り換えてようやく東京に着き、秋葉原まで山手線に乗って、そこから「ツクエク」なるものに乗ってつくばに行く。これがまためっぽう速い。車内表示も電光掲示板ではなく液晶画面で、なにやら近未来なニオイすらした電車であった。
その中でよく目にしたのがレッツノートである。なにやらいろんな人が銀色の、見るからに質実剛健な小さなノートパソコンを開いてぱちぱちやっている。私はといえばノートパソコンなど持っておらず、ただただ「いいなあ、アレ」と指をくわえていた。
そのせいだろうか、とにかくレッツノートがほしくなって、ヤフオクで探して探してようやく小遣いはたいて買ったのがR2、つまり2代目のレッツノートであったように思う。ちなみにこれはその後、縁あって母の実家に下宿した大学生にあげた。

それから1年か2年のうちにさらなる上位機種がほしくなった。なぜかというと、R2は見た目がレッツノートっぽくなかったからである。デザインの細々は省略するが、ツクエクで指をくわえながら見ていたレッツノートはもっと銀色と白色だけだった。

で、買った2台目のレッツノートがR4である。2つほど進化したわけだ。
やがて私の活動は広がり、個人事業であるAPEC-semiを開始するにあたって、「仕事で使うんだから、しっかりしたスペックのパソコンを買うべきだ」と悪魔が耳元でささやくようになり、意志薄弱な私はふらふらとさらなる高スペックのレッツノートに誘われていった。

3台目はR8である。「ジェットブラック」という、何がジェットなのかよくわからないが、黒色が好きな私はあっという間に買ってしまっていた。
ああ、思えば長期のセミナーツアーを始めた2009年、私はこの黒いレッツノートを携え、北は知床から南は沖縄まで飛び回り、出会いを重ねたのだった。
右がR4、左がR8。いずれもまだ我が家にあり、
オフライン計算処理など、ごくたまに出番がある。

その後、レッツノートはなんだかよくわからない「J」というシリーズになった。なにやら革ジャケットを身にまとい、弁当箱のような分厚い体裁になったのである。
私は怪しみ、初代のJ9には手を出さなかったのであるが、あろうことか東日本大震災を受けて最初に実施した仙台でのボランティアセミナーで、駆けつけてくれたクレヨンさんと知床さんがJ9を持っているではないか。こいつらホモ達かと疑ったものの、「いいなー、あれ」と再び思った私なのでありました。
ということで、4台目はJ10を買った。J9より新しいぞと密かに自慢した私であったが、これは何せ分厚い。それに革ジャケットの意味がよくわからん。
そのあたりが不評だったのか、Jシリーズは2代で終わりを告げた。
J10。最初はジャケットをつけて使っていたのだが、
どうにも分厚すぎるので後半はジャケットを外していた。
今は息子が持っている。使っているのかどうかは知らない。

次に出たのがAXなるウルトラブックで、その薄さに「おおっ」と思ったのだが、画面サイズが11インチになっていて、小さいのが好きな私はぐぐっと思いとどまった。
この機種はベッコ王子さんが持っていて、口頭試験セミナーツアーに同行されたときにチラチラと見ていたのであるが、やっぱり今ひとつ食指が動かなかった。

そんな中登場したのがRXである。やはりレッツノートは10インチを欠いてはいけないということだったのだろう。AXシリーズは2代で打ち切りとなり、10インチのRZシリーズに引き継がれた。RZ4(なぜ4なのかはよくわからんが)の登場である。
買いましたね。もう即買いました。メモリが16GBほしいのにマックス8GBだということと、好きなブラックじゃなくシルバーしかないというのは実に惜しかったのだけれど、それでも「薄い10インチのレッツノート」はなんとしてもほしく、買っちゃいました。これで5台目である。
RZ4。J10よりも画面がタテに大きいが、なんといっても
薄いので、楽にバッグに入る。ウルトラブックである。
今は娘が持っていて、持ち歩いているようである。

けっこう気に入って使っていたので、RZ5が登場したときも、待望のジェットブラック、それもメモリ16GBというスペックであったにもかかわらず、思いとどまった。
それが一昨年だったか、何かの不具合が起こったことで気持ちが一気に動き、今使っているRZ6を買った。これまでで一番高価なパソコンだったが、「仕事で使うんだから、しっかりしたスペックのパソコンを買うべきだ」という悪魔のささやきはもはや私自身の言葉ともなり、とうとうジェットブラックのウルトラノートを手にしたのである。
現行のRZ6。サイズはRZ4と同じだがかなりパワーアップしている。
8.9インチのWindowsタブレットをセカンドモニタ代わりに使っている。

その後、なぜかパナソニックもRZ6以降のパソコンを出さず、ゆえにさらなる新機種を買う理由もないまま時を経て、たまたまというかアホな理由によりバイオを買って今に至る。
最新のバイオ君。伊丹空港のカードラウンジにて今まさに
セットアップ中。ビジネスに特化した非常に強力なマシン。

こいつがまたかなりのやり手で、キーボードのフカフカと静かなこと、指紋認証、そして何よりパワーとバランスが素晴らしい。かつてあれほど忌避した11インチであるが、老眼進んだかすみ目男にはむしろありがたい。というか、RZ4からRZ6に買い換えたときの最大の不満は、「字が細かい」ことであった。そこで表示ドット数を減らしても、もともとの画素数が多いものだから自が細くて見にくいのである。ちょっと目が疲れてくるともう読めない。そこでフォントを替えたりして工夫していたのだが、バイオ君はそういう余計な工夫は必要なく、骨太なフォントをくっきりと見せてくれる。
ということで、レッツノート命だった私は今、ひそかにバイオ君に浮気しそうになっているのである。

1 件のコメント:

  1. 小職もレッツノート人生です。
    二代目のAXシリーズを貴殿に自慢気に見せた記憶がありますね。
    AXは入力スイッチの不具合で5年間使用で一昨年昨年引退しました。
    今はRZ6をご機嫌よく使用しています。
    この機種で最後にして欲しいですね。小職の人生と同じで。

    返信削除