高く澄んだ青空と白い(鉛色ではない)雲、風もなく川面がなめらか。冬には滅多に見られない光景である。
冬は風呂上がりにもっこりした暖かなパジャマを着て、それでもすぐにベッドに行くわけでもなく、ぐずぐずと酒を飲むのがいい。酒は気分で変える。熱燗のときもあるし、氷をどっさり入れた泡盛のときもある。ちなみに泡盛は最近、忠孝3年古酒を飲み続けていて、なくなるとAmazonで注文する。
今夜の肴はなれずしである。「すし」というと、多くの人は酢飯の上に新鮮なネタが乗った江戸前の寿司を想像するだろうが、そもそも「すし」といえばなれずし、つまり飯と魚介類を乳酸発酵させたものをいう。「鮨」と書くように、発酵により旨味が出てくる。
小浜のなれずしは鯖である。それも生魚を飯とつけ込むのではなく、一度塩漬け→ぬか漬けにより「へしこ」を作り、それを取り出して再度麹付けにするという手の込んだ発酵食品で、ちょっと前まではそのあたりでほいほい売っているものではなくて、内外海あたりの民宿で漬けた自家製のなれずしをお世話になった人やお客さんに配っていて、これをつけ込むほんの数週間しか手に入らないという逸品だった。
今では道の駅をはじめあちこちで手に入るけど、賞味期限が2日程度だし、あまりポピュラーな食材ではない。
しかし旨いのである。酒の肴にはこれ以上のものはあるまい。
ここ数年、ひこそう全国大会で小浜にやってきている皆さんも、へしこは食ったことがあってもなれずしはないんじゃないかなあ。旨いぞぉ。
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