Seven Seas Of Rhye

仕事みたいなもので「そとも」へ行った。「そとも」は「蘇洞門」と書き、天然記念物に指定されている。高度成長経済期やバブル期には、寺社仏閣と並び小浜の代表的な観光資源であった。

なかでも代表的なものがこの「大門小門」。破砕帯等の弱線部が浸食されてできた壁状の岩盤に、冬の日本海の荒波が穿った洞門である。小門でも高さ5ｍくらいあるらしい。

花崗閃緑岩の海食崖が続く荒々しい景観は、かつて「大魔神怒る」のロケ地になったところだ。

これがタイトル画面。カラー映画なのだが、何せ風景が灰色なのでモノクロのように見える。

「吉田哲郎」の字の左に濃い灰色の丸いものが見えるでしょう。これは花崗閃緑岩中のゼノリス（捕獲岩）。ゼノリスが多いのが蘇洞門花崗岩の特徴で、小浜城の石垣はここから石材を調達したため、ゼノリスが多く入っている。

小学生のころの私は、緒方拳がヘルメットをかぶって演技しているとばかり思っていたものだ。

観光船用の小さな船着場。考えてみれば小浜市民でありながらここに来たのはまだ5回程度だ。
ちなみにここに観光船が船をつけられるのは1年のうち1ヶ月か2か月程度らしい。もちろん冬は激しい波に洗われ、船着場も補修を繰り返している。

いくぶんうねり始めた海をすっ飛ばして帰路に着く。真ん中に三角の青葉山、その左に大島半島。その濃い緑の中に白く浮かぶ大飯原発。久々に潮風にたっぷり吹かれた。やはり気持ちのいいものだ。