2018年10月14日日曜日

油指す

またまた「小さいもの」の話である。
何でもそうだが、自分にピッタリの物に出会うまで、あれこれ回り道をして、あれを買ったりこれを買ったりするものだ。たとえば私はいまだにバッグを次々に買ってしまう。最近買った物はかなり気に入っているのだが、不満もないわけではないので、きっとこれからも買ってしまうのだろう。
そんな中で、もう迷わなくなった物、つまりもう別のものに目移りしなくなって、別のものを買わなくなったものもいくつかある。靴とマウス、そして財布だ。

2~3年ほど前(いや、もっと前か?)に買ったアブラサスという財布である。HPはこちらだが、とにかく小さくて薄い。

手作りの革財布で丈夫である。ずっと尻ポケットに入れているが、ぜんぜん傷みはない。
以前の私は、財布がすぐに分厚くなって、電車やバスに乗っている間に尻ポケットから落ちてしまうことがよくあった。一度など徳島に行くバスの中で落として、それをホテルに入ってから気がついて、バス会社までタクシーで往復して取りに行き、あやうくセミナーに遅れそうになったことがある。松江駅で列車からホームに降りた瞬間に財布が尻ポケットにないことに気づき、すぐに走って戻り、発車間際に危うくホームに戻ったこともある。
今思うとなぜあんなに膨らんでいたのかよくわからないが、カードと小銭とレシート類が重なっていたのではないかと思う。カードが曲がったりもしていたし。
そんなことがあって、あれこれ試した挙げ句、アブラサスに出会って、それからはこれ一筋、もうサイフは買わなくなった。
入れられるカード枚数に制限があるので、小浜にいるときと旅に出るときでカードを入れ替えたりしないといけないが、そういった不便さを補ってあまりある。

そんなアブラサスだが、ひとつだけ苦労するのが小銭である。
アブラサスの小銭入れは、将棋倒しのように並べて入れるようになっており、999円入るようになっているらしい。つまり500円玉×1+100円玉×4+50円玉×1+10円玉×4+5円玉×1+1円玉×4である。まあつまり合計15枚で、それ以上は確かに入らない。
昔の財布は小銭入れの中にごちゃっと入っていたから、どんな硬貨が何枚入っているかなどわからなかったが、アブラサスは並んでいるものだからすぐにわかる。
もちろん各種硬貨がごっちゃになっているとわかりにくいから、500円から1円まで整理して入れる癖がつく。買い物をするとお釣りを財布に並べて入れるのに時間がかかって店員さんを待たせてしまうこともあるけれど、まあこの何でも整理ができない男が財布に関しては整理する癖がついているのだから大したものである。
当然ながら、小銭をできるだけ減らそうと思うようになる。
768円の買い物であれば、1323円出して、555円もらおうとする。つまり基本的に10円玉と1円玉を避けようとするわけだ。
ところが世の中面白いもので、こういうことをしていると逆に不思議と小銭が集まってくる。
小銭がほぼなくなって薄くなった、極めて快適な状態の財布をご機嫌で尻ポケットに入れていると、たいていの場合次の買い物で40円だの4円だのがお釣りで入ってきて、どんどん999円に近づいていく。
私はこれを「999円の呪い」と呼んでいるのだが、極めて不快である。
それどころか、999円状態になってからさらに小銭が増えることもある。
自販機で160円のジュースを買うのに210円を入れる。おつりに50点玉が1個ころんと出てくる…と思っていたところへ10円玉が5個じゃらじゃらーと出てきたときの絶望感ったらない。思わず「うそやろー」といいトシのおじさんが声を出して、たまたま通りがかった人にびっくりされたりする。
とにかくどこかで小銭を使おうと思っているので、あえて買い物をしたりするのだけれど、またそういう時に限って習慣でEdyで払っちゃうんだなこれが。シャリ~ンという音と同時に「違うやろー」とまた声を出して、レジの人に「はっ?」と言われたり。^^;

まあとにかく体に似合って小さい物が好きな私なので、GPDポケットやジェミニ君、ファブレットなんかを小さなボディバッグに入れて、アブラサスを尻ポケットに入れてお出かけするとご機嫌なのですよ。^^

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