毎日同じ所をうろついているといろいろな変化が目に入ってくる。松ぼっくりもそうなのだが、今日は潮位が気になった。
もはや見飽きたようなアングルなのだが、護岸から配水管の先端が突き出ているよね。これは今日の11時の光景である。(余談だが、デジカメは位置情報も時間情報もセットで保存してくれるから便利だよね)何の変哲もない風景だが、何が気になったかというと、「あれ?あんな配水管見えていたっけ」と思ったからである。
2週間ほど前の11月10日9時の似たようなアングルの写真がこれ。排水管など見えていない。というか、階段護岸の海上に出ている段数が違う。
対して11月10日9時の潮位は20cmを越えている。その差10cm以上。排水管が見えなくなるのも理解できる。
ちなみに今日は小潮だったのだが、干満差は11cm。11月10日は長潮で干満差15cmであった。ちなみに11月の干満差の最大値は30cmである。
日本海側の干満差でこれくらいなのですよ。
このように水位の跡がついているのだけれど、黒くなっている上側以上には水位は高くならないし、逆にどんなに低くなっても水路の底面が露出することはない。
だからメートル単位で干満差があるなんて想像もつかないし、漁港では岸壁と漁船の高低差がどんなに変動しても±30cmくらいだから、乗り降りにハシゴを使うなどあり得ない。
…ということが実は当たり前ではないのかもしれないということに気がついたのは、恥ずかしながら50歳近くなってからだった。広島に行ったとき、京橋川だったか猿候川だったか、川底が露出していて、いったい何が起こったのか、よもや津波でも来るのではあるまいかと驚いて、これは干潮時に感潮河川で水位が下がっているのだと気がついて、ああそうか、有明海なんか何メートルも干満差があるのだから、こういうことも起こるのかも知れないなと、人生も終盤にさしかかってから始めて知ったのである。
考えてみれば私は浜の汀線の位置がほとんど変わらない、干潟など形成されるはずもない中で(だから潮干狩りなど経験したこともなく、それが何なのかまったく理解できず)育ってきたので、「干満差なんてどんなに大きくても30cm」が常識かしてしまっていたのである。
全国に旅をすることは本当に勉強になるなと最初に思った時だったかもしれない。
なお、この干満差の小ささは日本海側の特徴であると聞いた。日本海は外海との接続部が間宮・宗谷・津軽・対馬の4海峡でしかつかながっていない、でっかい池みたいな地形なので潮汐が少ないのだという話も聞いたが、そうすると鳥取島根や秋田山形あたりも同じなのだろうか。
こういうことひとつ取っても、日本は変化に富んで面白いなあと思う。
面白いですよね。
返信削除逆にわたしが小浜にお邪魔したときに、海岸の生きものを覗きにくいこと、そしてその理由がいつまでたっても潮が変わらないということにとっても衝撃を受けました。
ほほう、なんだかよく分かりませんが潮位差があると観察しやすいということなのでしょうかね。海面上に露出しているものが多くなるということなのかな。
返信削除わからないんかい!
返信削除そうです、そういうことです。わかってるじゃないですか。
でもこちらでも干潮の時は10㎝くらいの範囲ですけど海面上に出てきますよ。でもそれくらいしかないとアオサとかその程度しか観察できないかな。では次回はしっかり潜りましょう!
返信削除