2014年12月14日日曜日

里山シンポジウム

これまで2年続けてきた「アブラギリシンポジウム」を「里山シンポジウム」と名を変えて開催した。アブラギリにとどまらない多くのテーマを取り上げるようになったからだが、わずか2年前の第1回アブラギリシンポと比べると、すごく充実した。それはまた盛りだくさんすぎてひとつひとつに時間をかけられなくなってしまったということでもあるのだが。

朝、出かける前に投票を済ませる。投票所に向かう途中で海のほうを見たら、青空の上に雪雲がかぶさっていこうとしていた。うー寒い。
投票をすませて若狭東高校へ。名簿上は35人ほどの参加だが、この寒さの中、みんな来てくれるかなと不安だったが、当日参加も含めて50人ほどになった。ありがたい。

里山シンポジウム開会。まずはこれまでの経過を含む全体説明。あこちゃんのプレゼンに感動。コンセプトの根っこのところがしっかりしている。彼とたけしは同年代の仲間に囲まれ、またエネルギッシュにフットワーク軽くいろんなところに行ってつながりを持ち、どんどん世界を広げている。偉そうな言い方になって申し訳ないが、本当に成長した。ああもう大丈夫だ、オレはこれからバックアップに専念するようにしよう、心からそう思った。まあ今回だってほとんど任せちゃってるんだけどね。

高校生のプレゼン。初々しくていいなあ。今年はアブラギリだけでなく、葛・こんにゃく・菊花も登場。若狭東高校の総合産業高校の面目躍如といった感じだ。
毎年そうなのだが、高校生が一生懸命取り組んできた内容を一生懸命発表している姿を見ていると涙が出そうになる。

こんにゃく作りの体験コーナー。自分たちで植えて収穫したこんにゃく芋の皮をむき、ミキサーで砕いて凝固剤を入れて手練りでこんにゃくを作る。

手作り感満載のこんにゃくは、「これ、こんにゃくか?」というほど歯ごたえがしっかりしていて、スーパーのこんにゃくと全然違う。これはすごい。

葛作りの体験コーナー。こちらはいろんな商品開発も進んでいて、いろいろなものができている。

この日はトマトを使ったムースを作った。最初にトマトの青い香り、そのあとトマトなのか葛なのか、ふんわりほんのりした控えめな甘み。なかなかにうまい。

薬草にも取り組んでいる。菊花茶を飲み、菊花ジャムを食パンにつけて食べた。薬草茶っぽいほろ苦いジャムはうまかった。

アブラギリの榾木で栽培したきのこと、手練りこんにゃくを入れた豚汁風きのこ汁。これがまたうまいのだ。アブラギリ栽培のきのこは風味が濃いことを発見した。

そして葉寿司弁当。寿司6貫のうち4貫が究極のへしこ寿司、2貫が小鯛の笹漬け寿司。おかずは弁当なので腐りにくいものをチョイス。焼き魚、だし巻き、ぬたといったなど。T野君の力作は好評であった。容器もいいでしょ。持ち帰る人が多かった。

先ほど作ったこんにゃくが刺身で出てきた。やはり歯ごたえしっかり。これは酢味噌が合うかも。
午後はアブラギリ圧搾の実演ときのこ榾木作り。アブラギリのほうは動画撮影に必死で写真なし。

きのこ榾木の作り方を説明する生徒の前にずらりと並んだ参加者。^^;

今年は短木断面栽培。30cmほどの短木を輪切りにして、きのこ菌とおがくずなどを混ぜたものをサンドイッチにはさんでガムテープで止める。これを湿気があるが雨があまりあたらないところに置いておき、夏前にガムテープを外して輪切り面で外して雨があたらない陰においておくと、きのこがぶわーっと発生する。一昨年は予想以上に発生し、成功率も高かった。
シンポは成功裏に終了。今日ははるばる富山県からも参加者があったし、まあとにかく充実していたと思う。
シンポ終了後、今日が最後のチャンスかもしれないと考え、上根来へ。
ゲストハウスの冷蔵庫を整理し、ブレーカーを切った。すでに前回水道管とタンクは空にしてあるので、これで冬支度完了である。これからゲストハウスは4月まで眠りにつく。最後に少しだけゲストハウスでギターを弾いたが、すぐに指がかじかんできた。

上根来から山を眺めれば、もうずいぶん雪が積もっていた。かつてはこの光景を見ながら多くの住民が冬を越していたのだ。
寒いけど、少しだけ集落内を歩く。この3年ほど、あれこれやってきた。まだしっかりと形になったものはないけれど、途中で投げ出したものもない。「できるときに、できる人が、できることを」なのだけれど、こういった地域と関わる活動は責任を伴う。気まぐれにひょいと現れてぷいと消えていくようなことをしてはマイナスにしかならない。やっと今、地域の人にとっても我々にとってもWin-Winになってきたように思える。だからこれからが肝心なのだ。
プレーヤーになることよりも、しっかり活動を続ける責任をバックヤードで負うこと、これがNPOの理事長である私の役回りなんだなと、当たり前のことだけど再認識した。

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