先ごろ独立した南スーダンの話。(ワールドビジョンからの寄付募集のメールより)
新しい国ができたということで、夢を持って国を作ろうと避難民が続々帰還している。
ところが長年の紛争で、インフラはほぼ壊滅。現地医師によると衛生的な水を飲める環境がないので、列をなす患者の多くは下痢症状だとか。きれいな水もトイレもないのだ。
これからコレラやマラリア、肺炎が懸念され、特に子ども達が危険だという。
北部スーダンから帰還した女性は、学校も食べ物もなく、外で寝るから一晩中蚊に刺される暮らしで、子どもに「北に帰りたい」と責められるという。
この女性は北部では小さな商売ができ、保健サービスや教育も受けられたというが、南スーダンにはそういったものはまだないのだという。
ハードやソフトのインフラがないということは、人間が「社会の中で暮らす」ことができないということでもある。
南スーダンはこれから時間をかけてこれらを構築していくのだろうけれど、国際社会は漸移に溢れているわけではないから、きっといろんな苦労が待っているのだろう。そしてその影響を真っ先に一番ひどい形で被ってしまうのは「弱い人たち」だ。
ただ我が子が健やかに育ってほしいと願う母親。
ただ愛する家族と幸せにつつましく暮らしたいと願う市井の人たち。
そういう人たちが真っ先に不幸になる世の中はダメだ。
南スーダンの独立にけちをつけるつもりはなくて、現時点でインフラがぜんぜんないのは仕方のないことなのだろうけれど、一日も早く弱いものが安心できる社会になってもらいたいと願うばかりだ。
日本でも同じだろう。弱い立場の人はいっぱいいて、その人たちが弱い立場であるがゆえに辛い目にあっていることは数多くあると思う。
そういうことに心を痛め、それを減らそうとする心が日本人にあるうちはまだ大丈夫だ。そういうことに関心がなくなって我欲を追いかけることに夢中になってしまったら、もうダメだと思う。
ラフカディオ・ハーンに「天使の子孫だ」と言わしめた「心優しき日本人」がずっと受け継がれていきますように。
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