明日は私の62歳の誕生日である。私の会社の定年は62歳の誕生日なので、今日をもって私は定年退職である。
定年退職は誰も一度しか訪れないから、現実味のあまりない言葉なのだけれど、それが自分に来てみると感慨深いものがある。
私はすでに会社での仕事より自分の仕事(というか、どこまでが仕事でどこからが第三極的な活動なのかわからないのだけれど)が主なので定年退職になったからといって何もやることがなくなってしまうわけでも「心にぽっかり穴が開く」わけではなく、まして引き続きの再雇用なので、ほぼ何も変わらない生活が続くだけなのだけれど、それでもやはり感慨深いものがある。
私が入社したのは1985年4月。小浜の高校を卒業して島根大学の理学部地質学科に進み、大学院がなかったものだから新潟大学大学院の地質学鉱物学専攻に進んでマスターコースで2年を過ごし、その後で地元に戻って就職した。これからバブルだという時期であったが、就職したときに「これからはこんぴゅーたーだ」と思って親に借金をしてパソコンを買った。30万円した。フロッピーディスク駆動で、日本語入力は単文節変換で、というかワープロソフトなどなかったし、WindowsどころかMS-DOSすら動いていなかったからN88-BASICで自分でプログラムを組むしかなかったのだが、とにかく平仮名を打って変換すると「かったん」とフロッピードライブから音がして単文節変換されるという、今思えばとてつもないのんびりした環境であった。
それが今ではハードディスクどころかSSDドライブ、当時は影も形もなかったWindows、さらに当時は影も形もなかったインターネットなんだからなあ。そりゃ年取るはずだわ。
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