2018年12月12日水曜日

東京南の島物語②

目覚めたら、なんと4時前だった。スマホに残る未読メールからみて、昨夜は9時過ぎにはもう寝てしまったらしい。7時間近く寝たことになるので、目が覚めるのは当然か。
夜型人間の私にとって、この時刻はどうにかすると仕事をしていたり飲んでいたりして、昨夜からの続きで起きている時間帯なので、もうびっくりである。
5時前までとろとろとしながらベッドの中にいて、5時過ぎに朝風呂に入った。
6時過ぎ、もうすぐ夜明けだから、海に朝日を見に行こうかな、日の出が見られるかなと外を見ると。

ないない絶対ない。昨夜からの雨が降り続いており、向こうの八丈富士は相変わらず雲の中、とうか雲が昨日より低く垂れ込めているようだ。日の出など論外である。
しかたがないのでコーヒーを淹れて飲みながら読書をしたりして、ゆったりした早朝を過ごした。

7時の朝食タイムを終えてすぐにチェックアウトし、レンタカーで出発。港に行ってみたが、かなりのうねり。風速計がくるくる回っている。いやーな予感がするが、ともかく時間を大事に使おうと昨日の大阪トンネルにもう一度行ってみることにした。

大阪トンネルに向かう道路はこんな感じで、写真ではあまり感じられないが、山肌をぐんぐん登ってトンネルに至る道路だ。平面的には凹型になっているのだが、これは三原山の側方で起こった噴火による爆裂火口跡のらしい。

昨日より八丈小島ははっきり見えるが、雲をかぶっている。八丈富士も上半分は見えない。

市街地に戻る途中、玉石垣が崩れているところを発見。こうして見ると空石積のようだが、こんなに丸いものを空石積して、それも真横にせん断面を通したら崩れないほうが不思議だ。見た目は確かに良いのだが…興味深い土木文化遺産だ。

今度は島の北西海岸を目指す。夕日ヶ丘展望台から望む八丈小島。さらに八丈富士周辺の一週道路を回ったが、ほとんど何もなかったし、曇った空と荒れる海見えるだけだった。晴れていれば八丈富士に登るのだが。

さらに今度は島の東側の登龍峠へ。ぐねぐね道をがんばって登ったものの、風雨強く、眺望もほとんどなし。

帰路、けっこう傾斜した層理面が出てきた。三原山火山の火山灰か、あるいはもっと古い基盤岩か、どちらかだろう。八丈富士のほうではきっと見られない堆積岩だろう。

レンタカーを返して空港へ。今日は三宅島に移動する。八丈島→御蔵島→三宅島とヘリで移動するのだ。伊豆七島には「東京愛らんどシャトル」というヘリ定期便が運行しているのだが、今日は八丈島→御蔵島→三宅島、明日は三宅島→大島とヘリ移動して、最後は大島→調布飛行場と飛行機(新中央航空)で移動するという、非常にマニア?な計画なのである。

…と思っていたら、なんとヘリが欠航!
東京愛らんどシャトルを運航する東方航空のカウンターで、びっくりするくらいあっさりと「欠航です」と言われた。いやーん。
八丈島→御蔵島、御蔵島→三宅島とも1日1便だから、もう今日は三宅島に移動する手立てはない。
かくして、八丈島&三宅島ツアーはもろくも崩れ去ったのでありました。
代替案は3つ。

●A案
 今日は八丈島にもう1泊して、明日、八丈島→御蔵島→三宅島→大島という、もはや緊急患者のリレー搬送にしか思えないルートでヘリを乗り継ぎ、最後に大島→調布飛行場と移動する。八丈島→御蔵島→三宅島は1日シフトするものの同じ会社・ルート、三宅島以降は購入済みなので、これが一番変更が少ない。
 ただ、今日も雨模様は続くので、景色はよくなりそうもなく、もう1日八丈島で何をするんだ?とも思う。

●B案
 A案と同じく八丈島に連泊して、明日はANA便で八丈島→羽田と一気に東京に戻る。
 もう1日なにするの?という点はA案と同じで、さらにヘリ&大島→調布便はキャンセルになる。ヘリは欠航によるものだからキャンセル料はかからないが、大島→調布便はキャンセル料が発生する。

●C案
 今日一気に八丈島→羽田ANA便で東京に戻ってしまう案。
 八丈島と違って東京は「1日なにするの?」にはならない。ただし離島ツアーは1日短縮になってしまい、大島→調布便はキャンセル料が発生する。

A案は、東方航空に聞いたら明日のヘリは満席ということだったので、あえなくボツ。
B案・C案は、すぐ横にあるANAカウンターで聞いたら空きがあるので、どちらでもOK。
ということで、いつ東京に帰るか?宿は確保できるか?という問題になった。
調べると、八丈島の宿は大丈夫であり、東京の宿も13日に泊まる予定の東急ステイ用賀に今日から泊まることができる。

結局、C案にした。もし明日、何らかの理由でANA便が欠航になってしまったら、今度こそ模擬面接に支障が出てしまう。
それに正直言って、景色の悪い八丈島にはもうお腹いっぱいであった。三宅島に行けるのなら、阿古地区の溶岩とか、たとえ雨の中でも見たいものがあるからがんばるが、八丈島はもう十分だ。
ということで、八丈島→御蔵島→三宅島と三宅島→大島のヘリは当然ながらキャンセル料なしで全部キャンセル。
大島→調布の飛行機(新中央航空)はキャンセル料を3,000円ほど払ってのキャンセル。ToT
三宅島のホテルとレンタカーは、電話したらキャンセル料なしにしてくれた。こういう時には本当にありがたい。もし三宅島に行くことがあったら、きっと利用させてもらおう。
羽田へのANA直行便は、当日購入だから正規料金の2万円かかるところ、全額マイルでまかなえた。

さて、帰る手はずはなんとかついたが、飛行機は13:55。今は10時半。3時間以上ある。
もう一度レンタカーを借りて…とも思ったのだが、これから3時間で天気が回復するとも思えず、雨の八丈島にはもう飽き飽きしたので、空港にいることにした。

待合室のベンチでうだうだやってから、レストランでちょっと早い昼食。「飛び魚三兄弟」なるメニューをチョイス。飛び魚のコロッケ・さつまあげ・フライ。ご飯とお吸い物はアオサノリがどっさり入っていて、すごろくさんが喜びそうだ。そして明日葉のおひたし。私は、明日葉の独特の苦みのある味がすごく気に入った。

八丈島空港の保安検査場入口。ANAカウンターの横にひとつだけこじんまりとある。

店も土産物店が3つとレストランが一つだけで、こじんまりとしていて、沖縄で言うなら宮古より与那国に近い感じかな。

レストランの窓際の席で昼食後もコーヒーを飲みながらPC仕事をしていたら、ぶわーっと雨風がやってきて、真っ白になった。え、まさかANA便すら欠航とか?と不安になったが、無事に羽田からの便がやってきて、折り返し、予定通りの出発となった。

飛行機が滑走路のほうに移動を始めてから、いまさらのように日が差してきた。うーむ、お約束だなあ。^o^;
でも、結局最後まで八丈富士は顔を見せてはくれなかった。

定刻通り無事離陸。雲ばっかしの上を1時間弱フライトし、定刻通りに羽田空港に到着。
すぐに京急・山手線・田園都市線と乗り継いで、4時過ぎにホテルのある用賀に到着。チェックインしてしばらくデスクワークをしながら過ごし、5時過ぎに夕食に出た。
こういう日はヤクザなものが食べたくなる。刺身や天ぷらではなく、もっとB級っぽいものがいい。

バーミヤンを発見してビールと餃子、ザーサイ、味付け玉子にチャーシューなどという、もうどうしようもなくおっさんなものを。

さらに紹興酒を飲み、仕上げにタンメンを食った。ホテルに戻って風呂に入り、今に至る。
いやあ、今回はまいった。最大の敗因は移動手段にヘリを選んだことで、物珍しさに飛びついたのが失敗だった。
ヘリ便はやっぱり脆弱で、当てにはならないことを学んだ。欠航アナウンスも「いつものことよ」的に淡々としていたものなあ。
結果論ではあるが、フェリーはちゃんと就航しており、これに乗っていれば午後2時ごろには三宅島に到着していたのだ。
「もうこりごり」と思う一方で、一生に1回くらいはヘリに乗ってみたい気もするから、もし今後ヘリ便を利用するとしたらたっぷり余裕があって、1日か2日欠航が続いても平気な時にしようと決めた。でもそんな時はもうないだろうなあ。

八丈島の眺望は楽しめなかったが、ひととおりのところは行ったので、もう一度八丈島に行く必要はないなと思う。
三宅島や大島にはできるなら行ってみたいなと思うが、行くとしたら飛行機(三宅島には調布飛行場から1日3便ある)か船(大島なら比較的短時間で行ける)、まあつまり信頼度の高い交通機関だろうな。

2 件のコメント:

  1. これは食べに行かねば!
    それにしてもわたしも紀行文を楽しみにしていたのですが残念でしたね。

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  2. 空港レストラン、あなどれません。今度はちゃんと飛行機でリベンジしたいですね。

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