2014年2月25日火曜日

ぼんやりした風景

急に暖かくなった。3月の陽気らしい。そして春っぽくなったなあと思ったとたんに黄砂がやってきた。ただ今回の黄砂は本当に黄砂かどうかわからない。
以前、名古屋あたりで光化学オキシダントという死語か?と思うような現象が頻発した際、黄砂の成分を調べたら細かい砂粒の時もあるが、硫酸エアロゾルの時もあるという話があった。飛来源は中国だろうということで、越境酸性雨のひとつだったわけだ。実際日本海側で雨のpHが低かったりするし。

最近はPM2.5である。まあPM2.5というのは浮遊粒子状物質の粒の細かさだから、別にその成分が砂粒だろうが硫酸エアロゾルだろうが何だろうが関係ないのだけれど、ちょうど同じ日に北京で過去最高の大気汚染が報じられているから、やはりキモチワルイ。

向こうのほうにぼんやり山が見えるでしょう。5kmもないくらいの距離なんだけど、ほとんど見えない。

1kmも離れていない大黒山。「はっきり見えるじゃないか」と言うかもしれないけれど、

同じ風景の1日前の様子。もう空の色からして違うでしょう。とにかく晴れてはいるのだけれど、薄曇り状態で、影もぼんやりしているのだ。
中身が何かはともかくとして、ここ10年ほど明らかに黄砂(というか浮遊粒子状物質)がひどくなっている。これが砂粒であれば砂粒であったで、開発に伴う砂漠化なんてものの表れだからやっぱり憂鬱な話である。

椎名誠氏のエッセイで、ロシアの極北のまちに冬に行ったとき、とにかく寒いので息であれ排気であれ何でも白くなるので、まち全体が濃い霧の中で、その中を歩く人はユーレイのように見えたといったようなことが書かれていたが、黄砂のひどい時の朝なんぞまさにそれに近い世界だ。
待ちわびた春が来れば来たで、またあのぼんやりした風景を見ることになるんだなあと思うと、せっかくの春も嬉しさ半減のような気分になる。

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