2014年7月15日火曜日

今が脱皮のチャンス

二次試験の添削が佳境に入っている。添削依頼の数も増えた。出願直後からずっとコンスタントに積み上げてきて、充実感とともにもう筆記講座を終えた人もいれば、ようやく始動するという人もいる。まあみんな仕事が忙しい中だから仕方ないんだけどね。

毎年この時期になると「迷い」の中に入り込んでしまう人が少なからずいる。
特に目立つのが、課題解決問題のように「あり方」「施策」の話になる問題で、
「それって技術なんだろうか」
と悩む人だ。

たとえば自然災害がテーマだと、
「堤防などの防災インフラでできるだけ被災しないように守るが、それには限界があるから、避難もしれくれ」
という防災&減災の話が出てくる。
この中で防災のほうは、こんな堤防の構造にするとか、越水しても侵食されない構造にするとか、専門技術的内容で議論ができるのだが、減災は「自助・公助・共助」とかいう話になってくる。
そうすると、たとえば「自助」は「自分の命は自分で守る」という意識を持ってもらうように啓発したり、迅速に避難できるように各種情報を配信したりといった話になるし、「共助」は一人暮らし高齢者などの災害弱者を地域の人たちで助けるという考え方で、自主防災組織を結成するとか、そういう話になる。
「これって技術か?」と思うのもまあ無理はない。

でも、ここにとどまっていたのでは、技術者は「部屋にこもって計算している存在」から「専門職技術者として行政からも市民からも企業からも信頼される存在」に脱皮できないと思う。
自治体が、予算その他をかんがみて、
「防災インフラ整備が追い付かない。だから防災&減災で、ハード&ソフトをうまく組み合わせて安全安心を守りたい」
と思っていた場合に、
「私は防災も減災も理解していますから、その組み合わせ方も含めて計画設計ができます」
という人と、
「私は防災インフラ設計はできますが、減災は専門外なので任せてもらってもできません」
という人と、どちらに頼むだろうか。
たとえ全体の中の防災インフラ設計だけ担当したとしても、減災のことが全然理解できていなかったら、全体を組み合わせた時に整合性のない非効率でちぐはぐなものになるだろう。
「自分の専門分野に埋没する技術者」ではなく「広く俯瞰的に全体を見て、そのうえで自分の専門分野を深められる技術者」にならないといけない。なぜってそれを世の中が求めているから。

がんばれ、みんな。

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