2011年1月13日木曜日

リーダー

先日、「ソニーのリーダーは『買い』かな」と書いたのだけれど、実はそのときにはすでに心を決めていて、すぐにリーダーを注文した。
また買ったのかよ~っていいじゃん。欲しかったんだもん。

文庫本、新書と並べてみるとわかるが、豊後本サイズ、あるいはまだ小さいくらいの大きさだ。暑さは9ミリで、重さもXperiaより軽く感じる。

そうそう、オンラインのソニーストアで買ったので、ネーム刻印のサービスがついた。


使ってみて「この買い物は成功だった」と思いましたね。
私にとって何より気に入ったのは「電子ペーパーであること」だった。16階調グレースケールの電子ペーパーは、もう見た目が紙の感覚なのである。液晶の「光っている」感覚ではないのだ。というか実際光っていないのだ。
電車の中で読んでいる。ふと日が陰ったり、日陰に入ったりするとちょっと暗くなる。それが電子ペーパーの上で感じられ、ふと顔を上げてあたりを見回す。その感覚が紙の本と同じなのだ。
画面は光っていないから暗がりでは見にくい。老眼が入っているからなおさらだ。これも紙の本と同じ。
だからいつの間にか電子機器であることを忘れる。紙を見ているのと同じ感覚になる。すると紙の本のときと同じように、活字の向こうにある世界にすうっと入っていける。

この電子ペーパーというやつ、「電子的に次々に印刷されて書き換えられる紙」のようなものらしい。どんな仕掛けかは知らないけれど、ページをめくるたびに液晶に焼き付けているようなことをしているらしい。おそらく電圧をかけていて、それが保持されるか何かなのだろう。
そしてページを書き換えたあとはこの画面はほとんど電力を消費しないらしい。だから一週間でも充電せずに使える。
だからなのだろう、電源スライドスイッチをオフにすると、オフにはならずに写真のような画像が表示されてスリープに入る。通常の液晶マシンでこんなことしたら電力をどんどん消費するけれど、このままでずっと置いておいてもなんら問題はないようだ。
液晶ではなく紙を見ているような感覚で、かつ「バッテリーが減っていく」感覚もない。つまり紙の本に非常に近い感覚なのだ。何度も言うけれど。それがすごくいい。

それで、購入後に嬉しくなって何冊か本を買った。そして読みながらあちこち移動したり、就寝前のひとときを過ごした。なんというか「本がある生活」を満喫した。
面白いもので、電子書籍を買いはじめてすぐに、「気楽に読める自分の趣味の世界」の本を買うようになった。この数年間、あまり買わなかったジャンルだ。

プロレスの本を買った。知る人ぞ知る(というか知っている人はごくわずかだろうが)グレート東郷にスポットを当てた「悪役レスラーは笑う」という本だ。
プロレスというのは、間近で見るとヌイグルミを着ているとしか思えないほど鍛え上げた人間が、様々なしきたりやルールの中で繰り広げる、とてつもなく真剣で怪しげなジャンルだ。
そして実は民族問題のるつぼでもある。力道山は日系一世、つまり朝鮮半島で生まれて日本にやってきた人だが、日本人でなければ横綱になれないと知って相撲を廃業してレスラーになったといわれている。また頭突きで有名だった大木金太郎は北朝鮮から韓国経由で日本に密入国して逮捕され、力道山が身元引受人になってレスラーになれた。比較的最近活躍したレスラーでは、長州力・木村健吾・前田日明は日系二世、いわゆる「在日」だ。
在日一世である力道山の空手チョップ活躍に熱狂して日本人がアメリカンコンプレックスを振り払おうとしていたり、大木金太郎が「原爆頭突き」をアメリカンレスラーに叩き込むときに「思い知れ!」とアナウンサーが絶叫したり、なんと言ったらいいか屈折しているというか悲喜劇的ですらある。そして当の力道山は「大和魂を復活させるためにがんばっている」とインタビューで語っていたそうな。これもまた屈折しているというか複雑で、そしてこのあたりの屈折と陰な感じがプロレスの魅力でもある。(と私は思う)
ステレオタイプで偏狭な、底が驚くほど浅い最近のナショナリズムと対比しながらプロレス黎明期を描いたこの本は本当に面白かった。

話が本の中身に行ってしまったが、こういう本そのものに没入した、きちんとした読書ができる電子書籍リーダーってすごいなあと思う。
今は数日から週に1回程度の頻度で本を買ったり、電子書籍ショップから「試し読み」をダウンロードしたり、さらにPDFファイルも読めるから、「自炊本」(紙の本を裁断してスキャンしたもの)や自分で作った書類のPDF(セミナーテキストとか本の原稿など)を放り込んだりするのだけれど、この作業はUSBケーブルでリーダーとPCを接続しないとできない。この点だけはちょっと不便だなあと感じるのだけれど(でも値段とサイズを考えればいたしかたないのだけれど)、そのたびにファイル転送と平行して充電されるので、いよいよもって「充電する」という作業を意識することはなくなるのである。

ということで、送料その他全部込みで2万円ちょっと、なかなかにいい買い物だったと思っている。^o^

4 件のコメント:

  1. こんにちは。

    えぇ・・・近所の家電量販店でReaderを触ったら、良い感じで、紙の本で読書をされる人にはこれが最適なのかもなあと思っていました。
    僕はあまり本を読まない(時間が無くて読めない?)ので購入するまでに至っておりませんが、「何でも出来るガジェット」がいいのか、「これしかできないけど使い勝手は最高なガジェット」がいいのか、選択が難しいなあと思った次第です。

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  2. 有機EL使ってWiFi限定機能であれば、同じくらいの大きさでカラーも見れて通信もできるものが作れるでしょうね。ただかなり高くなるでしょうが・・・・
    使ってみると気がつくのは、スマホとリーダーを持っていればおおむねの用事は事足りるということです。便利になったもんだなあと。

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  3. あっ、私も買おうとしていたリーダー、もう買いましたか。
    電気屋で見た時に「これって、絶対いい」と直感しました。
    まず、充電が長持ち、PDFがOK、本はオンラインからの購入が少し面倒くさい・・・クレジットカード支払いは私は嫌なので。
    ソニーマネーになってしまいます。
    他の電子ブックのお店で買っても一緒かな?

    しかしAPECさん、電子書籍でいきなりプロレス本とは・・・変わってないですね。素端反戦でしたかな・ブルー座風呂ディだったっけ?、あなたの好きなレスラー

    私はグレート草津の四の字固めと、ビルロビンソンに人間風車がスキでした。

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  4. ごめんごめん、せっかくもらったコメントがスパムに入ってた。最近入らなくなったので安心してました。
    グレート草津も出てきますよ、この本。おっさんになって、紙パックのワインにデカボトルの焼酎を注いでガブ飲みしてるようです。^^;

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