2013年8月30日金曜日

厄日

ちょいとそこ行くお兄さん、あたしの話を聞いとくれ。
厄日ってのはあるんだね。今日がまさにそうだった。
眉唾話じゃありゃしない。全部ほんとの出来事さ。

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【1.プロローグ】
上根来へ車を飛ばしていた6時20分ごろのこと、上根来の15分ほど手前の下根来(しもねごり)を通っているとき、赤いハーネスをした柴犬が歩いていた。
おや?リードもつけずにと思ったのだが、すぐ近くを同じような柴犬を連れたおばさんが散歩していたので、ああ2匹の飼い主か、でも1匹はリードをつけて1匹はつけないっておかしいなあと思ったものだ。しかし急いでいたので素通りし、そのことは忘れてしまった。

【2.ジャックを探せ】
上根来に着いてみると、「犬のジャックがいなくなった」という。みんなで犬の名を呼び、そのあたりを探し回ったがいないので、仕方なく今日のウォークに出発することになった。
しかし飼い主(正確には預かり主らしいが)さんは残ることになった。ハーネスに電話番号が書いてあるという。
とりあえず私は一度帰ることにして、下根来まで下りてきたとき、まさにその犬を見たことを思い出した。すぐさま上根来に取って返し、飼い主さんを乗せて山を下りる。昨日の歩いてきたルートを戻っているのかもしれない。
20kmほどの道のりを探して回るが、ジャックはいない。所々で聞き込みをするも、見た人はいない。

【3.車を取りに往復4時間】
飼い主さんは、滋賀県に置いてある車を取りに行って、腰を落ち着けて探すという。
乗りかかった船なので滋賀県の朽木の奥まで車で送り、2台で再び上根来に戻った。…と書くと簡単そうだが、往復4時間近い行程である。
さらになんてことだ、駐車場になっている草っ原に車を止め、ドアを開けて降り立ったまさにそこにウンチがあった。ふんづけちまったじゃねえか。

【4.飼い主を探せ】
とりあえず戻ってきたものの、上根来では携帯電波が届かないので、ジャックが見つかっても連絡を受け取れない。
そこで、空き家状態になっている女房の実家に今夜は泊まってもらうことにした。
私と、途中から合流してくれたあこちゃんと、飼い主さんの3台の車で女房の実家へ移動。
県道から広域農道へと曲がって少し行ったところで、飼い主さんの車が付いてきていないことに気が付いた。
あわてて戻るも再合流できず。はぐれてしまったのだ。
なんてことだろう。犬がいなくなって、今度は飼い主さんまでいなくなってしまった。
はぐれたあたりで30分ほど待つも、戻ってくる気配はない。携帯番号も聞いていない。
もしや女房の実家のあたりに先に行っているということはあるまいな、と試しに足を延ばしてみるも徒労。
まったく今日はなんて日だ。疲労がどっと覆いかぶさってくる。

【5.弱り目に祟り目】
元のはぐれた場所に戻ろうとしていると、あこちゃんから電話。
「上根来に上る道が倒木でふさがっています」
悪いことは重なるというが、まったくなんてことだ。明日は某テレビ局のロケなのに、それはまずいではないか。疲労感など吹っ飛んでしまった。
現場は携帯圏外らしいので、土木事務所に連絡する前にとにかく現場を確認しようと車を飛ばす。

【6.車は急に止まれない】
急いでいたので80キロくらい出ていたかもしれない。知床さんの2/3のスピードだ。
突っ走っていると、宵闇の中、左手から何かが飛び出してきた。
シカであった。
「うわっ」と思う間もなく左前輪付近にどん!と激突。
衝撃の具合や音が大したことなく、前照灯が壊れず、ハンドルもとられず、異音もしないので、ボディが凹んだだろうけれど走行には支障なしと判断し、そのまま現場へ突っ走った。

【7.不幸中の幸い】
私も車もへろへろになりながら、ようやく倒木現場に到着。

確かに道は完全にふさがっているが、さほど太い木ではなく、枝も細い。これなら手ノコで切れる。
倒木1本だけで、斜面崩壊や落石などは伴っていない。ひとまず安心し、とりあえず携帯圏内に移動して土木事務所に連絡。

【8.帰ってきたジャック】
ここで突然、飼い主さんから連絡が入る。ジャックが見つかったのだという。
一緒に走っていたときにその電話を受けて、停車して通話している間に我々が先に行ってしまいはぐれたのだという。私の携帯番号を書いたメモは荷物の中、そしてその荷物は私の車の後部座席。私と飼い主さんの携帯番号を知っているのはウォーカーのリーダーさんだが、彼は今携帯圏外にいる。
かくしてどうすることもできず、とりあえずジャックを引き取りに行っていたのだという。その後、何とかメールでリーダーさんに連絡をとって私に電話してくれたということだ。
とりあえず女房の実家への案内をあこちゃんにお願いし、私は再び現場に取って返した。

【9.ひとり手ノコで】
実人口1人の上根来に午後9時過ぎに向かう人などなく、誰も来ない。闇の中、ヘッドライトの光だけを頼りに、ノコギリとナタで倒木を切っていく。
「なんでオレ、真っ暗な中を一人ぽっちでこんなことしてんのやろ」と思いつつ。

枝を切り、とりあえず車は通れるようになった。やれやれと思ったところへ土木事務所到着。

チェーンソーも駆使して、幹も全部片付けて、無事処理完了。

【10.エピローグ】
やれやれと女房の実家に行き、宿泊の段取りなどをして、午後10時過ぎにようやく帰宅。
16時間に及ぶバタバタ劇で、1日の走行距離350km。本当にいろいろあったなあ。
①犬がいなくなった。
②滋賀県まで4時間かけて往復。
③ウンチをふんづけた。
④飼い主ともはぐれた。
⑤倒木が道をふさいだ。
⑥シカに衝突した。
本当に心が折れかけたのが④、今日は厄日だと確信したのが⑤だった。

我が家の車庫に入れてからシカの衝突箇所を見ると、見事に凹んでいた。ToT

5 件のコメント:

  1. あの~厄日の記事の出演で複雑な心境ですが・・・^^;

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  2. べっこ王子2013年8月31日 14:29

    ともともさんバリ長編力作、ご苦労様でした。
    車の物損だけで済んでよかったですね。
    自動車保険の申請は、「鹿との衝突」ですかね?

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  3. 鹿も災難でしたね~。
    この車がsonnyさんのだったら、きっと泣くでしょう。
    それにしても、ジャックっていうからfukuchi氏が行方不明になったのかと…^^;

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  4. 知床さん、いやいや安全運転だったということを言いたかっただけで。^^;

    べっこさん、残念ながら車両保険には入ってないんですよ。ToT

    バイアさん、ふくちゃんが行方不明だったら別に探しません。^o^

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  5. バイアさん
    APECさんの車のことを思うと泣けてきます (T_T)

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