2012年5月22日火曜日

島原大変肥後も大変物語

ホテル近くのバスターミナルから路線バスで雲仙岳災害記念館へ。
バスを降りて少し歩きつつ振り返ると、平成新山がそびえたつ。火山のないところに住んでいるので、こういう光景には目を奪われる。

500m以上歩いてようやく災害祈念館に到着。駐車場には修学旅行生がどっさり。うーむ、この時期は平日に移動するとかなりうざいぞ。

館内展示は災害記録が主体だが、地質に関する展示もあって、非常に興味深い。

島原大変の記録。眉山が山体崩壊を起こし、崩壊土砂が有明海に大量に流入、対岸の熊本に津波が到達した「島原大変、肥後迷惑」である。約350年前だ。

平成噴火の写真展示。
1991年6月3日の大火砕流ではマスコミ、警察、消防団、タクシー運転手など43人が犠牲になった。当時の新聞には遺体が写っていたと記憶する。
この大規模自然災害はほんの20年ちょっと前なのだが、この地域以外の日本人の記憶にどれだけ鮮明に残っているだろうか。
本当にこの国は災害と隣り合わせなのだと再認識。だからもっと災害に対する感性を鋭くしつつ生活していかねば。正しく怖がらないといけない。

屋上から平成新山(左)と眉山(右)がよく見えた。眉山の崩壊跡のえぐれた地形と、平成新山のむき出しの岩肌がリアルだ。

帰りかけると、なにやら大きな像が。見てみると、日本のワールドカップ出場時に作られた「サムライブルー竜馬像」だという。
あまりのことに力が抜けて脱糞しそうになるが、ぐっとこらえて来た道を歩き出した。土石流被災家屋を保存している所があると知り歩いていくことにしたのだ。
これが大きな間違いで、ノンスケールの見取り図ではすぐ近くに見えたのだが、1km以上歩くことになった。暑い暑い。
土石流被災家屋は、当時のまま埋まったままで保存されていた。
土石流は海まで流れ下り、そして火砕流はそのずっと上流のいくつかの地区を飲み込んだ。そこには火砕流に被災した小学校が保存されているという。
ぜひ行ってみたいが足がない。しかたがないのでまたバスに乗って島原港へ。ここでタクシーを拾った。
行先である大野木場小学校の名を告げると、年配の運転手さんは、その小学校を飲み込んだ土石流が発生したときにそこにいて、記者ともども命からがら逃げてきたのだという。なんとも奇遇ではないか。
道すがら、ずっと運転手さんに当時の様子を聞きながら行く。

大野木場小学校跡。火砕流に襲われた当時のままで保存されている。校舎の中に入ることはできないが、見学は自由だ。

校舎の中をのぞくと、窓ガラスはなくなりフレームはひしゃげ、中は燃えないものだけが灰色になって残っていた。こんなものが来たら人間なんてひとたまりもないのが実感できる。

さらに「平成新山がもっとも近く見えるポイント」 に連れて行ってもらった。不安定な溶岩もあって、いかにも活火山だが、かなりのところまで木が生えていて、これも自然のすごさだと実感。

戻る途中に沢がよく見えるところで止まってもらった。向こうには数多くの砂防堰堤。手前の沢にも堰堤。とにかく砂防堰堤だらけだ。

見ると工事をしている。どうやら堆砂を除去しているらしいが、満砂どころか、堰堤そのものが完全に埋まっているのを掘り出しているようだ。まあ土砂生産量も半端じゃないだろうから。

そんなこんなで島原を後にして、「オーシャンアロー」で熊本にわたる。背後には眉山。「島原大変」から「肥後迷惑」へ津波の後を追っているわけだ。
熊本に到着してホテルにチェックインし、一風呂あびて汗を流して夕方からセミナー。今日は熊本の地質調査業協会有志の皆さんにお世話になった。
そして終了後、楽しみの懇親会。SYOさんとも再会して熊本の幸とも再会である。

熊焼酎と辛子蓮根。大好きな組み合わせである。

一文字ぐるぐる。シンプルな料理だがうまい。

馬刺し。左からタン、赤身、たてがみ。

遅い時間からだったが、楽しく飲んだ。
皆さん、ありがとうございました。

熊三中の泪ちゃんと愛ちゃんも元気です。
瞳ちゃんは東京でがんばっています。
今回は、最初は熊本に飲みにだけ行こうと思っていたのだが、愛ちゃんからセミナーの誘いをいただいて講義&飲み会となった。^o^
熊本は酒と食い物がぴたりと合い、「あそこでまた飲み食いしたい」と思う数少ないところだ。

5 件のコメント:

  1. 熊三中 瞳2012年5月23日 12:29

    こんにちは。
    APECさんのブログを通じて、熊本のみなさんの楽しい
    雰囲気が伝わってきて、とても幸せな気分です。
    あ、いちばん奥に、「シゲさん(石原プロ、そっくり!!)」のきりっとした笑顔も見えますね(笑)。
    泪姉と愛ちゃんの画像UPで、ますますオファーが
    増えることでしょう。

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  2. はい。瞳ちゃんが「シゲ、シゲ」といつも呼ぶのでそうなってしまったみたいなことをみんなから聞きました。楽しく飲める仲間はいいですね。

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  3. お疲れ様でした。
    タイトなスケジュールでしたが、無事楽しく過ごせて、よかったです。
    毎年恒例のイベントになりつつあって、うれしい限りです。
    熊三中(なぜか一発変換)は離れていても絆が深いですね。
    瞳さんが帰省された折には、記憶をなくすまで飲むぞー計画が密かに進行中です。
    もう少し時間が欲しかった、と思いながらも次回を楽しみに。
    ありがとうございました。

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  4. 熊三中 泪2012年5月24日 16:48

    先日はお世話になりました。
    今回も目からウロコの講義、ありがとうございました。
    受験勉強、中だるみなこの時期にいい刺激になりました。

    恒例の飲み会もとっても楽しかったです。
    APECさんは日本中各地に行かれているので、
    ご当地ネタは県民ショーよりおもしろかったです。

    今週末は沖縄に行かれるのですね!
    お天気だといいですね!

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  5. SYOさん、泪ちゃん、本当にありがとうございました。
    ぜひ次回はじっくりと。(次の日がこわいが^^;)

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