2013年12月26日木曜日

成長する島

西之島新島が本島につながったようだ。
1973年、私が中学1年生のときだったが、この時にも新島ができて本島につながった。

なんだか胎児のような形だが、左側がもともとあった西ノ島で、右側に新島ができて成長してつながったわけである。結合部分がどんどん太くなっていくのがよくわかる。

当時は「日本沈没」という映画が流行っていた。またこの年だったと思うが「ノストラダムスの大予言」という与太話が流行り、さらに漫画でも「漂流教室」という未来の滅亡した世界へ小学校がまるごとタイムスリップする話が流行ったり、とにかく終末モノが流行っていた。オイルショックでもあって、高度成長経済の終焉と終末モノの流行は無縁ではないと思うが、その点でこの新島出現は「領土拡大」みたいなことではなく、大地震などの前触れか?とむしろ凶事として見られていたように思う。
「こんな近くで火山が爆発して島がつながったりして、住んでいる人は大変だなあ」と思っていたのだけれど、西之島って無人島なんだね。^^;

その後さらに島は成長し(そのころになるともう世間の注目は浴びていない。私も今回の新々島出現がきっかけに知った)、内湾部分は閉合して埋まり、結局以前の3倍ほどの四角い島になったようだ。

 でまあ、今回さらなる新島ができたわけだが、1973年の新島のさらに沖合の方向みたいだ。つまり上の写真の本島の手前側が旧島、奥側が1973年新島で、そのさらに向こうに2013年新島が…という感じで、徐々に向こうのほうに島が拡大しているという感じ。

方角でいうと東南東、伊豆小笠原海溝のほうに向けて徐々に火口が移動しているという感じ。

マグマは順調に供給されているようで、新島はどんどん成長。本島と同じくらいの大きさになった。

で25日にはほぼくっついたようで、ほとんど隙間がなくなっている。さらに26日にはしっかりとくっついたようだ。
噴火の頻度は増すばかりで、マグマがすごく浅いところから「溢れている」状況のようだから、さらに大きくなるだろう。1973年新島のように本島をしのぐ大きさに成長し、さらに本島と結合して西之島は東南東に伸びた楕円形~長方形の島になるんだろうな。
そしてまた数十年するとその東南東に新島ができてさらに大きくなって…となるのかもしれない。
気の長い話に見えるかもしれないが、1万年とか10万年とか100万年といった単位で考えれば一瞬のようなものだ。
「領土がちょっと大きくなった!」とかいって騒いでいる人間などおかまいなしに、自然は悠々と営みを続けるものなんだなあ。
久しぶりに「地質学の時間感覚」を感じることができる出来事だった。

2 件のコメント:

  1. 噴火と言えば,我が鹿児島のシンボル「桜島」です。
    来年(2014年)1月に「大正噴火100周年」です。
    この大正噴火で,桜島と大隅半島がくっついてしまいました。
    今回の西之島もそんな感じで見ています。
    私たち,鹿児島の人間は噴火や爆発など日常なんでどうでもないのですが,
    東京に行ったときの地震にはビックリしました。
    そのように考えると,地球は生きているのだなと再認識しました。
    ちなみに,桜島の今年の噴火回数は,1093回(12/23現在)です。
    まあ,慣れてしまいますね。

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  2. 1000回!1日平均3回じゃないですか。そりゃあ慣れてしまいますねえ。
    でも、あの降灰とともに生活しているのはすごい。
    そんな桜島に連れて行ってもらったご恩は忘れません。

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