今から10年ほど前、文部科学省が「理科大好き」という言葉を冠した様々な事業を行った。我が国は科学技術立国なのに理科・科学に興味を持つ子どもが少ない現状をどうにかすべきだというような主旨だった。
私は当時NPO法人ホリデースクールを立ち上げ、いろんな子どもの体験活動をする中で科学に興味を持ってもらうような仕掛けをいろいろやっていたところだったので、この「理科大好き」事業に賛同し、いろんなことをやった。特に小浜市の小中学校がモデル校となった「理科大好きスクール」は、ちょうど小浜市のPTA連合会長だったこともあって積極的に協力した。
化石教室①、化石教室②、化石教室③、望遠鏡作り、地震体験や地質の話。これらは私にとってもいい思い出だし、実に勉強になった。こういった機会を与えてくださった方々に感謝している。
特に技術者は、ともすれば会社などの組織の「奥の方で人知れずムズカシイ計算なんかをやって一人悦に入っている」存在になりがちだ。高度な科学技術解析を担当することはもちろん素晴らしいことなんだけど、児童生徒学生に「ああいう人になりたい」と思ってもらえるような存在になるように、および/もしくはそう思わせるような仕掛けをすることも大事だと強く思っていた時期でもある。
社会も文化も産業も「続いていくもの」なのだから、今を生きる自分が楽しければそれでいいなんてものじゃないのだから。引き継ぐ責任というものが、どんな職種にもあると思うし。
「理科大好き」はお役所の常で、やがてフェードアウトした。特に一貫性のないことではダントツの文科省だし^^;。おそらく平成16年度ごろより以降は、「理科大好き」なんて言葉を念頭に理科・科学授業をやっている小中学校教師なんてほとんどいないんじゃないだろうか。
まあお役所仕事だからしかたがないのだけれど、私はしつこくライフワークのひとつとして続けているわけだ。
午前中は化石採取の下準備。8月9日の予定が台風で吹き飛んだのだが、自由研究として強く希望する親子だけを対象に代替日を設けたのである。
化石産地は、音海千畳敷という海蝕台。関西電力高浜原子力発電所周辺監視区域内なので、関電の許可をもらって入る。もうかれこれ15年ほどやっているので、みなさん「ああ、化石ですね」とわかってくれて、いろいろと協力していただける。一度など、雨の中で採取していたらわざわざブルーシートを張りに来てくれたこともある。ありがたいなあと思う。
こんな感じで貝化石がいっぱい入っている。 |
これはハマグリの印象化石(化石そのものではなく 岩石にスタンプされた化石の「型」。実はこちらのほ うが貝の細かい模様などが観察でき貴重だったり。 |
ミノイソシジミ(カラスガイ)の化石。 |
これはツノガイ。とにかくここは化石探しに苦労はしない。 |
イシダタミ(化石ではなく、今生きている貝)がびっしり。 ここはウミニナやマツバガイ、ヒザラガイ、カメノテなどが いっぱいいる。子どもたちと集めて、焼いて食べたことも あるなあ。マーケットでは絶対売ってないけど、豊かな海 こその海の幸だ。子どもたちの嬉しそうな顔といったら。 |
千畳敷から海を臨む。名島という岩礁の向こうに大島半島、 さらにその向こうに内外海半島。リアス式海岸の景観だ。 |
いったん帰宅してシャワーをあびて昼食を食べ、今度は中央公民館へ。老眼鏡を使った望遠鏡作りである。
16日の記事にも書いたから詳細は省略するけれど、今日も鏡筒は画用紙。外筒は四つ切、内筒は八つ切にした。(16日は両方四つ切)
こうやってカメラ三脚に取り付けると(今日は結束バンドで簡単に)それっぽく見えるでしょ。
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