2014年9月9日火曜日

悲しい事件だ

埼玉県の川越市で、全盲の女子生徒が蹴られて怪我をしたらしい。白杖に誰かが接触して転んだ気配がした直後に膝の裏を強く蹴られたらしい。
こういう事件を耳にすると本当に腹が立つ。
盲導犬を刺した事件もあったし、ベビーカーを押して電車に乗る母親が冷たい態度を取られて外出できなくなってしまうなどの話も本当に情けないと思う。

福島第1原発事故のあと、山梨県で福島から避難してきた家族の子供が保育園で入園拒否されたり、公園で遊ばせないようにという声が上がったりしたということもあった。
あれも本当に嫌な話で、それ以来私は山梨県に足を踏み入れる気も、山梨県産をうたったものを買う気も起きなくなっている。甲州ワインは好きだったので残念なのだが。

弱いものが泣くような世の中はダメだ。
他人、特にお年寄りや小さい子どもといった人達を気遣い、助けたいと思う心は人間として当たり前に備わっている心らしいが、それがいろんなボランティア活動の原動力になっている。
「何かしたい」という気持ちは誰もが持っているのだけれど、それを実行に移す部分に気おくれや気恥ずかしさや多忙などの様々なハードルがあって、「何かしたいとは思うけれど、実行に移せていない」人が非常に多くなっているのだという。大きな災害があったあとに義援金がどっと集まったりするのは、そのハードルがぐっと低くなった状態であるらしい。

まあとにかく、強い者が多くを得て弱い者を顧みないのであれば、それは獣の社会だ。
人間社会であるからこそ、弱い者を虐げるようなニュースは人々を悲しませ憤らせる。
盲導犬を刺した事件では、住民が懸賞金を寄付したいと申し出たらしい。懸賞金は寄付をもとにはできないらしく持ち帰ったとのことだが、憤りが形になったのだろう。
全盲の女子生徒が怪我をしたのが川越で、懸賞金寄付を申し出た人が同じ埼玉県の川口市の人だというのは皮肉な話だが、そもそも盲導犬が刺されたのは埼玉県内なので、「埼玉県、どうなっちゃってるの?」という感じだ。
みんなイライラしているのだろうか。
それって、東京で電車に乗ると時々感じる、あのとげとげしい雰囲気と同じものなのだろうか。
もう少しゆるゆるやったらいいのになあ。

3 件のコメント:

  1. 弱いものが泣くような世の中はダメだ。

    まったくです。

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  2. 私の家の近くに「埼玉県立特別支援学校塙保己一学園」があります。埼玉の偉人、江戸時代の盲目の国学者の名前に因んだ学校です。このような環境の中で、このようなことが起こること自体、信じられないというだけでなく、日本人の感覚が全体的におかしな方向になってきているような気がします。私を含めて誰しもが弱い者に力を振るいたい気持ちを持っているとは思いますが、それを上回る道徳観が今まではあったのではないでしょうか?関西人か埼玉県民かよう判らんオッサンですが、悲しいです。

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  3. 本当に悲しく、腹立たしい事件ですが、どちらの事件でも「そのようなことをした者を見つけて懲らしめる」ことは当然必要だと思いますが、そんなことが起こらないような対応も必要だと思います。

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