2014年3月9日日曜日

竹のこと

竹ネタばかりで恐縮だが、女房の実家であれこれ用事をしていてふと気が付いたことがあった。

女房の実家は川に近く、川の手前に竹林があるのだが、その竹林を正面から撮ったところ。何に気が付きますか?

一番手前一列に新しい竹が並んでいるのである。節が白いでしょう。これが新しい竹。去年の春に生えたんだね。ついでに表面も青々としていてきれいだ。

その新しい竹の後ろ、竹林の中に入ると、節が黒い一昨年前以前の竹が生えている。表面も薄汚れている。

新しい竹は水分が多く柔らかいので、切るのは楽だし工作も楽にできる。そのかわり乾燥するとコップや竹とんぼが変形してしまう。青々ときれいなので、切ってすぐの容器や箸にいい。そうそう、かっぽ酒は青竹に限る。フグのヒレ酒と同様、いくらでも飲めてしまうのだ。
なお、7月や8月の夏休みはまだ柔らかいので、小さい子どもでも竹工作に挑戦できる。加工しやすいし、だから少々失敗してもくじけないのだ。私は子どもにとって大事なのは「失敗してもいい」と安心して挑戦できることだと思っているので、この時期の竹工作は大好きなのだ。

古い竹は水分が少なくなって硬いので、しっかりしたものを作るのにいい。ただしよく切れる小刀かクラフトナイフを使わないと加工が大変だし怪我の元だけど。

竹を切るなら11月と言われる。一番硬い時期だかららしい。それより早い時期はまだ柔らかい(ただしその年に生えたものならだけど)し、それより遅れると竹林の養分がタケノコに行くので竹が弱くなる(から虫食いが増える)からだという。

竹はあらゆるシーンで活用されてきた。箸はもちろん、カゴやザル、傘、ほうき、竹刀、水筒、床や屋根、土壁の芯、塀…
今ではほとんど用途がない。ないから切らない。切らないと竹の密集度がすごくなる。そうするとタケノコも生えなくなる。京都に行くと畑か?と思うくらい竹がまばらに生えて林床がきれいに笹で覆われているけれど、やはり竹の密度をそこそこまばらにしないとタケノコも生えなくなる。仕方がないから竹林の縁にばかり生えるようになる。結果として竹林が広がっていく。
竹を切って利用すると、竹林の中でタケノコががんばって生えるから、竹林は広がらず、需要と供給がバランスよく保たれるが、竹を利用しなくなると、人が入っていけないくらいに密度の高い竹林が、周囲にどんどん広がっていく。

やっぱり竹はもっと利用しないと。たま~に竹とんぼ作りや流しそうめんをやっている程度じゃ焼け石に水にもならないから、もっと実用的な日常使いに利用しないといけないなあと思う。しがら組みがそこいら中でやられるようになるといいんだけれど。
やっぱりライフスタイルを変えていかなきゃいけないんだろうな。

2 件のコメント:

  1. 中国へ行ってびっくりしましたが、どんな高層建造物でも単管足場ではなく、竹を組んでの足場です。そうなれば竹の需要が増えますね。

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  2. 中国の竹はすっごい揃ってるんですよね。また太さが根本でもあまり変わらなくて本当に単管みたいでいいのです。
    なにせ土木工事で竹を使うときは中国から取り寄せてるらしいですよ。

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